月光詩集
夜
地球に初めて夜が来たとき
それはあまりに美しかったので
太陽は嫉妬して
夜を照らすのをやめてしまった
つきが きれい だから
つきが とっても きれい だから
ここが戦場なら確実に殺されてるぞ
という のんきさで
うえを みながら かえる
月
どんなに歩いても月には辿りつけないということに
感謝しなければならない
もし月に行けるなら
寂しい人は帰ってこないだろう
月が世界を巡ってくれることに
感謝しなければならない
もし月が留まるなら
詩人たちは月の照らす丘を奪いあうだろう
月の魔力に注意せよ
こうして月を告発できるのも
今宵が月のない夜だからである
・・・
夕映えに赤く染まる白亜の町
見上げた青空に病める月
・・・
ビルの陰から月が
でろり、と現れた
月の都
月光が照らす町は、海底だから
そこにいたら溺れてしまうよ
重荷を捨てて浮かんでおいで
月光が照らす町は、深海だから
そこにいたらチョウチンアンコウになってしまうよ
月の都に遊びにおいで
月光詩集
twitterに載せた詩のうち、月に関するものをまとめてみました。