月光詩集

地球に初めて夜が来たとき
それはあまりに美しかったので
太陽は嫉妬して
夜を照らすのをやめてしまった

つきが きれい だから

つきが とっても きれい だから

ここが戦場なら確実に殺されてるぞ

という のんきさで

うえを みながら かえる

どんなに歩いても月には辿りつけないということに
感謝しなければならない
もし月に行けるなら
寂しい人は帰ってこないだろう

月が世界を巡ってくれることに
感謝しなければならない
もし月が留まるなら
詩人たちは月の照らす丘を奪いあうだろう

月の魔力に注意せよ
こうして月を告発できるのも
今宵が月のない夜だからである

・・・

夕映えに赤く染まる白亜の町
見上げた青空に病める月

・・・

ビルの陰から月が
でろり、と現れた

月の都

月光が照らす町は、海底だから
そこにいたら溺れてしまうよ
重荷を捨てて浮かんでおいで

月光が照らす町は、深海だから
そこにいたらチョウチンアンコウになってしまうよ
月の都に遊びにおいで

月光詩集

twitterに載せた詩のうち、月に関するものをまとめてみました。

月光詩集

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-02-15

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  1. つきが きれい だから
  2. ・・・
  3. ・・・
  4. 月の都