太った女の子と痩せた男の子のお話
「なんでふとってるの」
「だってごはんおいしいんだもの」
「ふとってるとあるくのおそいからやだ」
「やせてたらふゆさむいよ」
「だってきょうあついよ」
「だってあついとのどかわくんだもん」
「ふとってるからあついんだよ」
「ねえ、のどかわかない」
「かわかない」
「じゃあすきなたべものはないの」
「ないよ」
「ごはんおいしいよ」
「おいしくない」
「たべるのきらい」
「すきじゃない」
「おなかへったらたべればいいじゃない」
「だってたべるものっていきているんだもの」
「でもおなかがぺこぺこになったらかなしいんだもの」
「おなかがいっぱいになったらきもちがわるいんだ」
「ごはんおいしいよ」
「おいしくない」
「もっとおなかがへったらどんどんやせちゃうよ」
「いいよ」
「もっともっとおなかがへったらたおれちゃうよ」
「いい」
「もっともっともっとおなかがへったらしんじゃう」
「それでもいい」
「しんだらこまるあたしが」
太った女の子と痩せた男の子のお話