太った女の子と痩せた男の子のお話

「なんでふとってるの」
「だってごはんおいしいんだもの」
「ふとってるとあるくのおそいからやだ」
「やせてたらふゆさむいよ」
「だってきょうあついよ」
「だってあついとのどかわくんだもん」
「ふとってるからあついんだよ」
「ねえ、のどかわかない」
「かわかない」
「じゃあすきなたべものはないの」
「ないよ」
「ごはんおいしいよ」
「おいしくない」
「たべるのきらい」
「すきじゃない」
「おなかへったらたべればいいじゃない」
「だってたべるものっていきているんだもの」
「でもおなかがぺこぺこになったらかなしいんだもの」
「おなかがいっぱいになったらきもちがわるいんだ」
「ごはんおいしいよ」
「おいしくない」
「もっとおなかがへったらどんどんやせちゃうよ」
「いいよ」
「もっともっとおなかがへったらたおれちゃうよ」
「いい」
「もっともっともっとおなかがへったらしんじゃう」
「それでもいい」
「しんだらこまるあたしが」

太った女の子と痩せた男の子のお話

太った女の子と痩せた男の子のお話

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-02-14

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