海辺の朝

朝八時の陽の光が眩しすぎて
私は眼を細める
真珠の付いたバングルは何処へ行ったのか
塩水で傷んだ髪
湿り気を帯びた肌
砂を踏みしめる音
誰かの嗤う声

私は浜に打ち捨てられた死骸



鳥達が奏で導く魂の共鳴
さざめく波と逃避行中の私
煌めいて魅せる水面
望蜀に塗れた宝箱
藍玉の様な瞳に映る想い出

蓋を開けてしまったならば
飲み干してしまいたい
私は私の望むものが欲しかった

私は浜に打ち捨てられた死骸



ざらりとした唇に
塩っぽい口内
掴んでは逃げていき弾ける水泡
優しい光に包まれて
やがて私は懐かしいあの場所へ帰る


欲望に満ちた太陽光
薄墨色の雲がそれを隠し
雨は罪人を濡らしていく
頭に刺さった硝子片
移り気な私が悪かったの

私は浜に打ち捨てられた死骸


私は浜に打ち捨てられた死骸

海辺の朝

読んでくださりありがとうございました。

海辺の朝

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2017-02-13

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