花びら
一昨日
あなたの思うままの芽が
地球に生えた
少し寂しげな葉を刈って
しおれた根を抜いたのは
綺麗な綺麗な理想を描いた朝
昨日
あなたの思うままの芽が
背を伸ばした
どこか物憂げな水をかけて
涼しい陽を浴びせたのは
大きい大きい未来を想った昼
今日
あなたを思うままの芽が
蕾を膨らませた
もう忘れた記憶を覚えて
話に花を咲かせたのは
遠くに遠くに消えた夜
明日
あなたの指に撫でられるほど
美しい凛とした花になる
明後日
あなたの咳に吹かれるほど
小さい小さい花びらになる
明々後日
あなたの足に踏まれるほど
跡形も無い枯れた花びらになる
花びら