独立星系軍 第2話=惑星と秘書=

これは夢か?

そう思う時期あった・・・光学航法を使用し目の前に出現した第1艦隊は数百隻のクラスでは無い・・・全艦艇合計10万隻、兵士は60億、通常兵器多数とまるでこの銀河が一国のようだ。固まると惑星の中でも見えてしまう為、各地へバラバラになっている。

目的地は惑星フォン・ロックス・・・ユリシーズのデータベースでは文明は中世レベルであり、ここから最初の一歩である秘書官を探せという事だ。

「おい・・・人選に制限はあるのか?」
「基本的に軍事から私事まで貴方の自由ですので・・・ただ、司令に刃を向ければ射殺も止むをえません。」
「分かった。というか・・・」

大佐と呼ばれる兵士と共に格納庫へ・・・

「ユリシーズ軍の配備している兵器で軍艦は近代的所か未来的すぎるのは確かだが・・・通常兵器は旧式すぎないか?」
「一応、第1銀河にある唯一の惑星・・・地球・・・」
「地球・・・幻の蒼き星・・・」
「ええ・・・現に配備されている兵器は地球で作られた兵器です。先代社長は我々技術交換と引き換えに地球で使われている軍事兵器の生産権と独自改造の許可を取得しました。当時は日本で極秘に生産を行っておりましたが、銀河大戦の勃発と同時に先代社長は地球が巻き込んでしまうことを予測し、この銀河の外れにある巨大小惑星・・・120km×112kmの巨大小惑星を改造した統合拠点にて現在も生産を行っております。」
「銀河連合軍相手に戦えるのか?」
「銀河大戦時に実戦投入されており互角以上に戦うことが可能です。」
「でもカタログだと・・・このF-22は宇宙では飛べないはずだが?」
「これは大気圏内での行動を中心とする素の状態です。飛べないことはありませんが・・・宇宙での行動ではこのオプション・・・アーマードパック、アタッカーパック、ファイターパック、ネイビーパック、ステルスパックと複数のパックに分類されております。」
「多いな・・・共通の特徴は?」
「スラスターの有無です。パックによってはミサイルの搭載数、方法と様々です。ただ、大気圏内ではどのパックでも使用不能であり、誤って大気圏に突入してはパックを破棄する以外に方法はありません。」
「ちょっと待て・・・大気圏突入と言ったか?」
「ええ、我が軍の機体には必ず大気圏突入用のシステムが搭載されております。銀河大戦では戦死者の内20&が大気圏への誤突入よる事故死が占めている為です。全艦艇にも大気圏突入システムが搭載されており、短時間での惑星圏内での行動と離脱が可能となっております。」
「どんな技術だ・・・」
「何といいますか・・・はい・・・」
「何気に地球で配備されなかったF-22NATF、F/B-22まであるのな・・・」
「ええ・・・」

格納庫を一通り見て回りクルーからサザンクロス級強襲揚陸艦サザンクロスの大気圏突入準備が完了した知らせを受け、ムラサメはサザンクロスへ艦を乗り換える。

「ようこそ、サザンクロスへ。間も無く大気圏突入します・・・」
「よろしく頼む・・・」

総司令官という重責を感じつつも秘書官探しの為、惑星へ降りる。

惑星フォン・ロックスは大地の半分が森林で占められている惑星だ・・・降下した地点は誰にも見られない場所・・・海の中心点に着水し、タッグボートにて最も近い大陸に上陸する。

≪我々は30000上空で常に爆撃の準備が出来ています。何かあれば通信と同時に銃に取りつけてあるレーザーを目標に合わせてください。場所にもよりますが10秒以内にはJDAM弾を投下します。ただ、少なくとも100m以上は離れていないと確実に司令も吹き飛びます。≫
≪了解した。≫

通信を終了し自らの装備を確認する。

「アメリカ軍のM4A1ホロサイトにグリップ・・・何と言うか斬新だ・・・ベレッタM92F・・・」

深い森に入ると凶暴な狼が次々と襲ってくるが簡単に制圧する。

「流石、地球の技術だ・・・だけど反動がきつい・・・」

秘書官の見つけ方を考えつつも歩き続ける・・・

「・・・・・・そう簡単に見つかるわけがないよな。」

道らしき道も徐々に無くなってきており、視線を感じるようになっていた。

「複数か・・・3人、いや5人だ・・・」

元々、王国騎士団より軽い訓練を受けてきた経験があったが、ここまで感覚は鋭くない。

「・・・ま、いいか・・・」

銃は一応、隠しておく・・・何人かの監視は恐らく銃声を聞いて尾行してきているのだろう。

ベレッタM9を手に持ち襲ってきても直ぐに迎撃が出来るような体制をとっている。

「ある意味、不審者だな・・・物騒な音を出し、たった一人辺境の森を歩く・・・

歩き続けて30分ぐらいした所で休憩を取ろうとするが・・・

きゃああああああ!!!」とお定番な悲鳴が聞こえ、ムラサメは急ぎ状況を確認する為に、急行する・・・と、村のような集落があり、そこで命乞いをする少女と今にでも殺しかかりそうな村人一同がいた。

「ゲオル族の掟に逆らうとは・・・リンネ、君を信じた私が馬鹿だったようだ。」
「疫病神よ!こいつは!」
「わ、私は何もやっておりません!」
「あれは先祖代々より引き継がれて来た大切な鉄の箱!」
「本当に君が関わると良い事が一つも起こらない!今までに一度もな!」

何気に持たされた盗聴器が役に立っている。

「君が生まれたと同時に両親が死に・・・狩りについてきては必ず村の男が死に、家に住めば必ずと言ってもいい程、燃え倒壊・・・ここまで酷い有様は1000年生きている自分としては信じ難い。即刻この村から立ち去ってもらう!」
「オレラフさん、こいつは村の神が眠っている鉄の箱を海に沈めた!このまま立ち引きなんて論外!」
「殺せ!」
「そうだ!」
「そんな・・・神に誓って私はやっていない事を!」
「生意気な!!!」

夢中になってやり取りを聞いていたが、背後より何者かに殴られ気絶する・・・

それから6時間後、とある倉庫にて目を覚ます。

「クソォ・・・絶対骨陥没しただろう・・・」

両手は縛られており、動かせるのは足のみ・・・幸いにも武器は側においてあり無事だが、汚れがひどく何者かがいじくり回していた感じがある。

「安全装置は解除されていないようだな・・・道具は・・・大丈夫か・・・」

持ち込んだ道具全てが無事なのを確認すると、無線機に近寄り感覚を頼りに指で無線機を開く。

≪ムラサメだ・・・スカロット1、応答せよ・・・≫
≪スカロット1、オーロラの影響にてやや雑音あり・・・どうぞ。≫
≪(オーロラ・・・?)現在の状況を教えてくれ。≫
≪は!司令か倒れて6時間ほど経過しております。連行されるまでの一部始終を確認しましたが村の動きにやや騒がしい様子が見受けられます。≫
≪了解・・・それと鉄の箱について調べてくれ・・・分かる範囲で・・・≫
≪5年前に観測された写真ですが・・・鉄の塊は・・・原子爆弾・・・核兵器という事が判明しました。何故、ここにあるかの経緯は不明ですが墜落して以来、村人が回収・・・神の贈り物として祀られたと思われます。現在は、海底より回収し我が軍の観測艦が解体作業に取り掛かっております。≫
≪犯人と偶然性はあるか?≫
≪流石に観測開始時には既に海底に捨てられており、犯人は不明です。偶然性については完全に偶然です。≫
≪了解。≫
≪我々は常に状況を見ております。爆撃支援も24時間、最大8回の爆撃支援が可能です。≫
≪了解、感謝する。≫

通信を切り真っ暗な倉庫で脱出方法を考える。

「誰か・・・と言っても誰も・・・あの子、大丈夫かな?」
「私は大丈夫よ。」

暗いから確認しずらいが真正面にあに少女がいる。

「見られていたようだね・・・」
「ええ・・・貴方は誰?何者なの?」
「ユウ・ムラサメ、独立星系軍総司令官、この星の人間では無い・・・」
「私はリンネ・フォンブラン=イストワールよ。この村の人間だけど濡れ衣でこの様よ・・・」
「良い名前だ・・・よろしく・・・ここでの捕虜の取り扱いはどうなっているんだ?」
「縄張りの侵入者は誰であろうと公開処刑ね。」
「おいおい・・・」

吃驚しつつも早速、脱出を考えるが内ポケットに入っている認証式レーザーナイフが収納されているのを思い出し、床をコロコロしながら取り出す。

「それは?」
「ナイフだ・・・ダガーと同じ種類だ。」

ナイフを握ると先端がレーザーの刃が出現し、レーザーの熱を利用しロープを焼き切る。

「手首に跡が残ったな・・・」

リンネのロープを切ると倉庫の扉からこっそり外を覗く。

「私の事はほっといてくれれば・・・こんな事をすれば貴方の親族まで・・・」
「僕には親族はいないさ・・・けど、ここの人達はこれっきりだ。僕たちを終える時には既に数百年後だ・・・」
「達て・・・私も連れて行くつもり?」
「ほっとけないしな・・・けど、こことは永遠の別れとなるかもしれないが・・・何か用はあるか?」
「決定事項ね・・・行く場所が無いし、殺されると決まっている以上は・・・私だって死にたくないのは確か・・・私の両親の御墓に寄ってもいいかしら?」
「了解、どこにあるんだ?」

何気に洗練されたスニーキング技術を応用し北の谷にある墓へ行く。

そこでリンネがお祈りと最終報告を済ませ、ムラサメは村の武器庫に設置したC4を起爆させ大爆発を起こす。起爆直前に偵察部隊に周囲の状況を実況してもらっている為、被害は武器のみだ。

「武器を破壊するのって・・・?」
「閉じ込めた仕返しだ。」
「でも個人でも剣を持っていて破壊したのは既に封印されし武器庫・・・」
「・・・・・・≪ヘリはいつ来る!?出来れば早めで!≫」

既にサザンクロスから発艦したMV-22オスプレイが回収地点である墓に向かっている。

村では既に騒がしくなっており、脱走の発見を助長しまう結果となった。

「この村の連中行動早すぎだろ・・・もう来やがった!」
「狩りの仕事が主だから妙に鼻が強いのは確かよ・・・」
「見知らぬ惑星って恐ろしすぎる・・・」
「所でヘリってどんな乗り物?」
「空を飛ぶ乗り物だね・・・ま、総司令官になってまだ数日しか経っていないからあまり解説が出来ないが・・・」
「ゆっくり学ばせてもらうわ。」
「ああ・・・というか飲み込み早いな・・・」
「だって私は貴方の妻となりますので!」
「・・・戦場になりかかっているせいか空耳を聞いたような・・・」
「いいえ、この世界での強引の永出は駆け落ちも意味するわ。」
「・・・・・・」

何とも言えないムラサメだが、2人は直ぐに見つかる。

≪残りは何分だ?≫
≪目の前です!!!≫


「殺せーーー!!!」

村の戦士達が剣を構えて突撃してくるが、映画の如く神タイミングでオスプレイが出現、180度回頭するとハッチが開き2人が飛び乗るとすぐに高度を上げその場を離脱する。振り返った時の戦士達の顔はまさに驚愕な顔であった。

「サザンクロスは何処に?」
「一応、この惑星には戻らないことを前提として大陸沿岸部にて飛行中です。既に大気圏突破準備を整っており、いつでも行動が可能です。」
「了解した・・・リンネ、共によろしく頼むな。」
「我が旦那の為、誠心誠意尽くす所存・・・」
「何もかも聞きなれないな・・・トホホ。」

サザンクロスに着艦後、30分ほどで宇宙へ上がり独立星系軍旗艦オーディンへ戻る。

宇宙に上がって以来、リンネは神がいない事に落胆はしていたものの星の海に感動しており、宇宙から見たオーロラには大気圏内からみたリンネと初めてみるムラサメにとっては見入るものであった。

軍部は今回の反省点を踏まえムラサメとリンネに銀河について一通りの教育を行った後、艦に振り分けられる各役職の説明他、ユリシーズ軍の説明と多数の説明が1週間6科目50分と続いた。だが、これだけでは無い・・・

陸軍空軍海軍統合軍の各兵器を一つずつ・・・数千種類もの兵器の使い方を覚える事となったが、これはこれで大変な科目に・・・ただ、これに限っては総司令官と秘書官限定であり、以後役職で入る新人は各個人で最適な兵器が選定され各軍の軍事兵器の訓練と教育がおこなわれる。

数千もの兵器については無人惑星エンドラスにて行われており、数千もの兵器の訓練については強制教育システムにより瞬時に覚える事が出来、副作用も生じる事無く訓練は1カ月を経て無事終了し2人はオーディンに乗り宇宙へ駆けだした。

独立星系軍 第2話=惑星と秘書=

独立星系軍 第2話=惑星と秘書=

  • 小説
  • 短編
  • 青年向け
更新日
登録日
2012-07-24

CC BY
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