おおいぬ座VY星


目まぐるしく変わる世界
生きて死ぬ生き物

それにとってはちっぽけな地球
それにとってはちっぽけな太陽
それにとってはちっぽけな太陽系
けれどその総てを見届けてきた


流れゆく時間
消えてゆく感情
失われた生命

その総てを吸収した様に大きくなり
吐き出しては小さくなり
そしてまた吸収し大きくなり
それを延々と繰り返し続ける

それはいつか爆発すると
それ自身が知りながら
無や不になった総てを吸収し
私たちを照らし続けている


終わらない輝き
止まない煌めき

どんな時だって上を見上げれば
どこかたくましく
どこか儚く

何百光年何千光年離れていようと
私たちがそれを思う時でも
何も思わない時でも
慈愛に満ちたそれは
輝き続けてくれるから

おおいぬ座VY星

現在までに確認された恒星で最も大きいと言われているおおいぬ座VY星。直径は太陽の1900倍前後と言われています。大きいとはいえ地球から離れている為に目視することは出来ませんが、宇宙の総てを照らしてくれているような壮大さを感じさせてくれませんか?

おおいぬ座VY星

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-07-23

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