どっちが。
お気に入りのぬいぐるみの腕が、千切れてしまった。
まだ捨てたくない。
だから、新しい布で作り直してくっつけた。
取れちゃった腕は、なんとなくもったいなくて、
机の引き出しに仕舞った。
しばらくして、
今度は、ぬいぐるみの足が、取れてしまった。
まだ捨てたくない。
だから、新しい布で作り直してくっつけた。
取れちゃった足は、やっぱりもったいなくて、
机の引き出しに仕舞った。
そうして、
直して、直して、直して。
いつの間にか、引き出しの中には
ぬいぐるみひとつぶんの千切れたパーツが詰まっていた。
私はそれを、ひとつに縫い合わせた。
いま、私の手元には、ぬいぐるみがふたつ。
ひとつは、
ちょっとずつ千切れていったパーツを縫い合わせてできたもの。
もうひとつは、
ちょっとずつ新しく作って付け足して、いつのまにか元のパーツがなくなってしまっていたもの。
どちらも、大切。
けれど。
「私がお気に入りだったぬいぐるみ」は、
一体どちらなのだろう?
どっちが。
ためし投稿です…。
これって小説って言っていいのでしょうか?
詩に近いような気もしますが…分かりませんね。
以前、似たような話をブログに載せたのですが、できれば、たくさんの人に見てもらって、考えてもらいたいなぁ、と思って、少々手を加えて書き直してみました。
なにか少しでも、見てくれた方の中にもやっとした物が残ってくれていたら、嬉しいです。