悪夢だ、夜空だ。

底には暗い空があるから
僕は前を見ていられる

屋上から落ちないように
フェンスにしがみつく
人生の終点は近いようだ

何処かに幸せな国があるから
君はそれを目指している

ブルースを吹き飛ばすように
能天気に生きている
日々の限界は近いようだ

踏んで踏み締めて歩いた
道のりに思い出は無い
名前を付けるなら悪夢だ
思うように息が出来ない

暫く世の中を見ていたら
鳥は空を自由に飛ぶ

目的などまるで無いように
フェイスの汗を拭く
人間の理想が映るようだ

何故かと問われる答えがあるなら
傷はそっぽを向き続ける

ブレスを受け入れるように
全盛期を生きている
霧の模様は深いようだ

噛んで噛み締めて足掻いた
無闇に夢見ては儚い
光を掻き消すのは夜空だ
思うように空気を吸えない

悪夢だ、夜空だ。

そこには暗い空があるだけで
僕は下を見て
揺れている綱から
落ちないように
しがみつく人の
手を踏んで歩いて

底には暗い闇があるだけで
僕は前を見て
吹いている風で
落ちないように
しがみつく人の
足を踏んで歩いて

踏んで踏んで歩いて

何も分からない

悪い夢のように息が出来ない
こんな日が来るとは

だめだから僕は
僕もだめだから落ちたいけれど
僕は選ばれた人だから
僕は
僕は

暫く黙って見てたら
ゴールはまだ遠くて
誰も辿り着いてない
焦りたくはない
焦りたくはないけど

後ろから
闇が迫ってて
暗い冷たい闇が
迫ってきて

怖いから
僕は

夢に

夢を見る

僕は

夢を見る

何時までも何処までも

闇が無くなるまで
いつか光が指すまで

震えながら夢を見る


爪をかんで手を抓って
夢を見る

まだ
また

何処からか

笛が聞こえて
笛が

天使か
また夢か

笛が羽が落ちてきて

綺麗な旋律が
笛が

みんな
おいで
ついてきて

楽園
夢に落ちれば
世界も
まださ

笑顔が溢れ
涙も溢れ

空気は
無くなった

夜空から

悪夢だ、夜空だ。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-02-06

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