強人弱神
第1章 最強の人間と最弱の神様が手を組んだら
「なんなんだ、こいつ」
それが、俺を襲ってきたヤツの最後の言葉だった…
「うっせー」
俺は容赦なく襲ってきたヤツにボディーブローをたたき入れて気絶させてやった。
さすがに殺す勇気は持っていないからな
「これで今日は、30人かぁ」
まったく俺の人生はどうなっているんだ、たぶん神様が見ればビックリ仰天だろう何せ1日30人以上の人を気絶させているのだから…
「マズイ、チャイムが鳴ってる」
俺、西条カミヤは高校生である…
「君、危ない!」
「は?」
ああ、振りけらなきゃよかった
振り返るとそこにはでかいダンプが俺の目の前に俺をターゲットと言わんばかりに向かってきた。
これは避けられん
「ぐあっ」
結果から言うと俺はひかれた
いやぁね冗談じゃないんだよ、マジでひかれたんだよ
「死ぬ…の…か…?」
何だよ、こんなことで俺の人生終わりかよ
「だ、誰…か」
「助けてほしい?」
途端に、時間が止まった冗談抜きで…
「ねぇ、助けてほしいの?」
「助けて…くれ」
「助けてから、何でもしてくれる?」
「何でも、する、から」
助けてくれ何でもする、何でもするから…
「分かったよ、助けてあげるだから私を手伝って」
そこで俺は気絶した……
「うわぁあああああ」
何だ夢か、にしてはリアルな夢だったような
「まあ、いいか水飲みに行って来よう」
変な夢を見たせいか汗でベットがビショビショだ
「はい、水」
「おう、サンキュー」
ん?
俺の家に俺以外いたっけ?
「ん? どうしたの? 水飲まないの?」
「ふ、不審者だぁあああああ」
とてもきれいな不審者だなぁとか思ったがそんなことはどうでもいい
「私は不審者じゃないよー」
そう言うヤツが不審者なんだ
「う、嘘だな」
「せっかく助けてあげたのにその言い方はないと思うなぁ」
助けた? あれは夢じゃなっかたか?
「助けたってダンプにひかれた時か? あれは夢じゃ…」
「夢じゃないよ、本当のことだよ」
じゃあ、俺は1度死んだのか?
「ちなみに、あなたは死んでないよ」
ひん死状態の俺を助けたっていうのか?
「そんな神みたいなことできるわけないだろう」
「できるよ、だって私神様だもん」
大変だ一得も早くこいつを精神科につれて行かなきゃ頭がどうかしてる
「なんか失礼なこと考えてない?」
「よし、まずお前は精神科に行け」
「やっぱり…」
やっぱりってそんなこと信じるとでも?
「そんなことよりもさっさと出て行けよ」
「何で?」
何でって
「ここは俺の家だ、お前がいる所じゃない」
「私、あなたと契約しているんだよ?」
契約? そういえば夢でそんなことを言っていた気が…
「そうだとしても、だ」
「だって私と離れたらあなた死んじゃうよ?」
は? 何言ってんだ? 離れると俺が死ぬ?
「何で俺が死ぬんだよ、その契約とやらに関係あるのか?」
「ないよ! ただ、私と契約したから神獣があなたを狙ってるよ!」
……はい?
ナンダソリャ
「なあ、お前って」
「ん?」
「バカか?」
「…はい?」
だってそうだろう? いきなり来て私は神様だとか、神獣が狙ってるとかバカみたいなことを言うなんてバカしかありえないだろう?
「あんたねぇ」
ん? 怒ったのか?
「いいよ、教えてあげる私がどんな存在か…」
神(?)がそう言った瞬間俺の家の壁が爆弾で爆破されたみたいに吹っ飛んだ…
「…壁がぁああああ」
「ヤバい、結構早く見つかった」
はいぃいいい?
何に見つかったって?
「神獣よ、どうしよう武器なんて持って無いよ」
武器? 神獣?
「なあ、あ、あいつ尻尾生えてないか?」
「だから、神獣だって言ってるじゃない」
尻尾が生えて、二足歩行で…
「神…か?」
「喋ったぁああああ!」
そんな生き物地球にいたっけ?
「殺…す」
こ、殺すって言った? こいつ今殺すって言った? シャレになってないぞ
「どうするんだよ」
「しょうがないなぁ、頑張ってカミヤくん」
「はいぃいいいい!?」
何でぇええええ!?
「何で俺なんだよ、神様なら何とかしろよ」
「あ、信じてくれた?」
「信じる、信じるから助けてくれ」
「……無理」
……はい?
「なんでだよ!」
「だって、私は力ないもん」
何ですとぉおおお!?
「ち、力がないってどういうことだよ」
「私は力を与えることはできるけど、私は弱いから」
「じゃあ、どうすればいいんだぁあああ」
「あなたが闘えば? 力はあげられるって言ったでしょう?」
何でだよ!
「闘わなきゃ、あなたも私も死ぬよ」
でも……
「さあ、どうする?」
「分かった、闘おう俺が」
「よかったぁ」
「ただし、あとでお前の秘密を全部教えろ」
「分かったよー」
「じゃあ、力をくれ」
「うん!」
そう言って……て何しやがるこいつ
「何で抱き着くんだよ!」
「動かないで、力があげられない」
あげられないって、なんでこんなことするんだよ
「はい、終了……行っておいで、カミヤ」
「お、おう」
今のことは忘れよう
そんなことを考えながら闘いに向かった
「待たせたな、こっからが本番だ」
「神の…戦士…殺す」
やってやるぜ…
「……つ、強えぇ」
さすが、神獣半端じゃねぇ
「そろそろ…死んだ…ほうが…いい」
「ふざけるな! 俺は死なねぇよ」
俺は神獣の顔面にナックルをいれたら50メートルくらい吹っ飛んだ…
「アレ? 俺こんな力あったっけ?」
「そ、その調子」
「お前、なんか疲れてないか?」
「そ、そんなことよりこれ…」
これって…刀?
「早く、それを抜きなさい」
「は?」
「それで、あいつを切って」
…あんた銃刀法って知ってますか?
「勝って、カミヤ」
そう言って神(?)は倒れた
「お、おい」
『神の戦士よ、我を抜け』
なんだ? 刀から声が…
『我を抜くのだ』
「あぁあああもう、わかったよ」
こうなったら自棄だ
俺は刀を抜いた、途端に体から紅より赤い炎が…
『我が名は月刀、我求るは勝利なり神の血なり神の頂点なり』
「て、体が燃えてるぅうううう」
「か、みに、我は、もう一度…」
こいつ、まだ生きてやがった
「消えてなくなれぇええええ」
俺は全力で神獣に切りかかった
「うおぉおおおお」
頭から真二つに切られた神獣は叫び声をあげて燃えた
「お、終わった…のか?」
そうだ神が倒れたんだった、大丈夫かなぁ?
「おい、大丈夫かぁ? 神様」
おいおい、マジかよ
「こいつ寝てやがる…」
ま、死なれるよりはましか
「は、はは、何だよこんな可愛い顔で寝やがって」
まったく、お前は気楽でいいよな
「とりあえず寝かしてやるか」
壁の掃除もしなくちゃならないしな
これが俺、西条カミヤと神様との出会いであって
俺、西条カミヤの新たな人生の始まりであった…
強人弱神