Modern Love ジーザスよりも パリの空
煙草の灯
海を見つける
風を聴く
君を見つける
「詩に出会えたよ」
風歌う 水が眠るの 陽がやさしい 走るわ だって 恋を知りたい
森で知った 頬 風 撫でる ピン ポン と あなた大好き 春を 教えて
はちみつの 涙 とろとろ パンケーキ かじって 運命線に たましい ひろった
運命論 彼や彼女の センテンス “Ｌ”ではじまり “Ｌ”で閉じるの
決意する 冬の花びら さらさらと 右へ左へ 「きみが生きてる」
思い出せ 18の年 パツキンを 命 変わって 海で 撃つんだ
色仕掛け 屍骸の山さ メガシティー 生き残ったら 詩を突っ込んで
ビノッシュの 髪の雫で 息をした 臆病だった 少年だった
おしゃべりも 沈黙のうち 秘密なら あの夜のこと あの朝のこと
嘘つきか 魔法 だったら よかったさ 怖い 優しさ 雨で 膿んだ
「やさしいね」 口癖だった あのひとが 消えたら やさしさ 嘘と気づいた
物語 黙して 織るの 天秤座 バイオリンより チョコレートだった
僕の肩 君の 湖 心地よい 音が聞こえた あの頃だった
時間なんて あったような 心停止 確かなようで なにもなかった
泣くふりで ボーイ・ジョージは 聴こえてた 部屋の壁には 「時間」と 書いた
もう少し 月に聞こうか あのわけを 月は あの夜の 琥珀 知るはず
いまからね 歌人になって 魔術師の 仲間入りする 海 蹴ってやる
あわあわと 照れる あの人 かわいくて 泡も 水だよ きみが 弾くの
あの涙 ゲームじゃないの こころなの 切り札ならば ちょろい 術なの
ぼくのこと 吸って 飲んで 噛み切って あとには ぼくらの 残骸 残る
いつもでも 裏切ってくれ 僕の血を 君が歌える 終末の朝
マティーニ に 泳いで 消えて 知った 恋 キャメル 吸ったら 残り火となる
詩を語り 君が呟く カタルシス 走らせてくれ 僕の叫びを
線上で ラムネが 消えて あの日 知る 音符の 墓場 きみの いた街
はかなすぎる 時計を抱いて ここにいる どこにいるのか 涙で沈む
うしなって こじらせ はいて きりさいて きみをうらんだ 「まだここにいる・・・・・」
初めから 失っていた キスだった 燃えた 冷やした ためいき 見えた
真夜中に アイスクリーム 知らせるの あなたの いびき くちびる なぞる
「あったかいね」 ここが ずっと いるところ 夕刻の色 くちづける街
トランプで ポーカー賭けよう キノコ雲 その最期まで あなたを 乞う日
Modern Love ジーザスよりも パリの空 疾走するの 刹那の 青を
神よりも あなた信じる 終末は 恋に死んでも 罪は チャラなの
俺は やる 時間通りの 教会は 決して 俺じゃない 俺は 見つけた
バイブルが 終末の色 帯びるとき 恋は疾るの 伝染の夜
祈らない 仕掛け花火は いらないわ 試してみてよ ポンヌフの橋
瞬間が カルネで 死ぬ日 弾丸を 撃ち貫くさ パリで終わるさ
汚れた血 悪の華 刺す アパルトマン ボウイ死んでも ロックは疾る
掻き下ろす リフで信じた 未来の日 頬の血を拭く バイク火を噴く
「アンナ、スピードの恍惚、信じるか？」 沈黙 ちぎった 千人 愛した
たったいま 唇の味 憶えたい 僕が果てる日 ボンネットの上
教会で 牧師に聞くより テロしよう 君のフルート 僕のゲバルト
石炭の こころ 灯を点け 祈っている 地上の神じゃない 天上の きみ
神 よりも 人を 造るさ 地の塩で 蹴っ飛ばしてやる 「好きに生きるさ」
アガペーが なんだ エロスを 突き刺すさ 君は孕むさ ポエジーの宙
赤よりも 君は 刹那を 信じるか？ 僕の黒から 放たれる詩
「かみさまが」
「いるとするなら」
「てのひらさ」
「そっとつつめば」
「きみだけのもの」
Modern Love ジーザスよりも パリの空
ツイッターで一日分吐いた短歌を構成しなおして投稿した作品。
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich
