ぼくらのうた

毎日が退屈な高2矢郷 駿。

そんな毎日を変えてくれたすばらしい仲間達と「ぼくらのうた」をつくりあげていく。

出会い

「ああ・・・暇だ・・・」

そうぼやきながら、音楽プレーヤーを取り出す。

そしてイヤホンを耳に運ぶ。

僕は、矢郷 駿。都内有数の進学校聖条学院に通う高校2年生だ。

毎日が暇で退屈している。自分が何でも飽きっぽいのもあるけど・・・

そうこうしているうちに家に着いた。ちなみに飽きっぽいとかいってるから、分かる人もいるかもしれないが、僕は帰宅部だ。

家に着くなりソファに座り込み、眠かったので眠りについた・・・

・・・

なんだここは・・??

見覚えのある場所だ・・

ステージが中央にあり、そこにたっている男が何か話している。

「・・・まあ俺たちの夢は、ここにいる人たちに、音楽でしか伝える事の出来ないモノを多くの人に感じてもらう事です。」

・・・

夢から覚めて時計を見ると朝になっていた。

学校に行く時間だ・・・だりいな・・・

そう思いながら学校に向かう。

学校に着き、教室へ入ると何か騒がしかった。

なにかあったのだろうか?

「寺にい」に聞いてみよう。

「寺にい」とは、僕のクラスメイトであり、友達の寺田 浩平である。

みんなが「寺にい」と呼ぶのは、高2なのに大人びた雰囲気と、クールで物静かだからだ。

・・・まあ僕がつけたのだが・・

細い一重な目と青白い肌が特徴だ。

ルックスはカッコイイというほどカッコよくはないが、大人びた雰囲気やクールなところから、女子の間ではもてるらしい・・・

まあ・・・僕は人の事をいえるほどの人間ではない。

目は大きく二重で、鼻も高く、ほりが深いので外人のような顔をしているとよく言われる。しかし髪は日本男児らしい黒色だ。天然パーマでかみがくるくるしている。

近所の人にはかわいらしい顔といわれる。

しかし、毎日が暇だからか・・・クラスメートはみな口をそろえて「だめ男オーラが出てる」という。

まあそんなことはおいておいて・・・

寺にいによると、今日、転校生が来るらしい。なんとその転校生が、音楽界では有名な新人バンドの登竜門

といわれる「new wing music」というフェスティバルにギターソロで出演したらしい。

寺にいが彼の説明をしていたときに、目を輝かせていたのは、気のせいだろうか・・・

そんなにすごいやつがくるのか・・と頭の中で勝手に顔をイメージしているうちに先生が来た。

「みんなは知っていると思うが、今日からこのクラスに新しい仲間が増える。入ってきてくれ。」

そういった瞬間、クラスで歓声が起こり、みんなが「ゆ・う・や、ゆ・う・や「」とコールを始めた。

僕も勢いでコールをする。

そうすると、いかにもギターをやっていますという雰囲気が出ている人がクラスにはいってきた。

そして、

「木村裕也です。よろしくオネガイします。」

といった。

僕は彼から何か退屈な毎日を彼が変えてくれる気がした。

音楽の世界へ(1)

彼が学校に来てから、変わった事はそんなにないのに、何か暇じゃなくなった。彼とはよく話すようにもなった。

好きなバンドは何か、何故音楽の世界へ入ったか、何の歌が弾けるか・・・

彼への質問はきりがなかった。

いつのまにか「ゆーやくん」と呼んでいた。

そしてある日、ゆーやくんから「家に来ないか?」と誘われた。そうするとその話を盗み聞きしていた寺にいが「おれもいっていいかな?」といってきた。

物静かな寺にいにしては積極的だ。ゆーやくんも「いいよ。」といったので寺にいもくる事になった。いいよ、と聞いた瞬間、寺にいが小さくガッツポーズをしていたのが笑えた。

そして放課後俺らは木村家を訪問する事になった。(いっていなかったが、寺にいも帰宅部です。)

なぜか知らないがめちゃくちゃ緊張する。寺にいは口笛を吹いて機嫌がよさそうだ。普段は絶対そんなことしないのに・・・

そして木村家に放課後向かった。歩いているときも、電車の中でも、俺は話す事が出来ないほど緊張していた。

寺にいはゆーやくんを質問攻めして困らせている。なぜか敬語で話している。(そんなに尊敬しているのか??)そう思ってしまうほど、寺にいのゆーやくんに対する態度は丁寧かつ積極的だ。

駅の近くのマンションが木村家らしい。20階建てマンションの19階だ。

そして、ゆーやくんがマンションの部屋の扉を開けた途端、僕らの目からうろこが落ちた・・・

ぼくらのうた

ぼくらのうた

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-07-22

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  1. 出会い
  2. 音楽の世界へ(1)