序章(受信)

うた

序章(受信)

その一文の 受信から。(私たちは、また ひとつになれた)

その一文の受信から。
(私たちは、また ひとつになれた。)

今となって思い返せば、常に、心の奥底に
大切に大切に 幾重にも折り重なった記憶の
そのまたずっと 奥底に
その記憶は 呼び起こされるのを
ただずっと待っていたのに違いなく。

きっかけは何だったのだろう。

信じていた人に 裏切られ
ただむなしく
それでも 働き続けることしか出来ず。
働くことでしか 己の生きる意味を見出せず
自らも省みず 心をも閉ざし
ただがむしゃらに働き続け。
愛する我が子の為 家族の為にと
走り続けてきたあの日々。

ただ魂だけは ずっと
叫び声をあげていたに違いなかった。

声という声にはならずとも。
気がつかないふりをしていた。

大切な最愛の家族が ひとり、またひとりと
この手のうちから
目の前から 消えていってしまった
あの時にも。


それが
前世の約束だったのか
遠い未来での記憶だったのか。

私たちは出逢うべくして出逢い
お互いの胸の、奥底に蒔いた種の存在にも気づかずただ 時が流れ。

そして また 巡り逢えた。

今だからこそ。

自らの手で下した 様々な人生の難題を
自らの力で 心を閉ざしながらも 乗り越えてきた
今だからこそ。


私たちは また ひとつになれた。

やっと。

だから。

きっと。

序章(受信)

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