贋作またはコピーライト

何が怖いと言えば
私が無いこと

人のコピーをしていれば
自分を否定されても
それは誰かの贋作だから
傷つく事はないとして

そうして自分に誰かのコピーを
糊で貼り付けて
輪郭さえ分からなくなって
己というのは何処かへ埋まった

私はバチが当たったのだ
コピーライトを犯したから

贋作で身を固めた私には
もう私が無いのだ

誰かの影に隠れた私は
黒く染まって影に融けた

もう私が無いのだ

贖罪は私を空にするばかりで済まない
無いものから何を作れと?
私が怖いのはそういう事だ

贋作またはコピーライト

贋作またはコピーライト

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-02-01

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