冬青

街灯の眩しさに
そっと目を瞑った
胸を濡らす悲しみに
そっと蓋をするように
臆病な私には
その光はやけに眩しすぎて
群がる羽虫たちが
いつもより大きく見えた

夕方から続く雪降りは
いつの間にか勢いを増して
ポケットに入れた缶コーヒーも
とうにぬるくなってしまった
吐く息は白いはずなのに
気のせいか薄く汚れて見えた


いつか 私の心から
不安の霧が消え去って
晴れ渡る日が来るのだろうか
いつか 君みたいに
優しく生きられる日が来るのだろうか


公園に歌う鳥たちは
きっと何処かへ消えてしまったんだ
音のない冬空は何だか優しく見えて
臆病な私は そっとそっと胸を撫でた

冬青

冬青

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-01-26

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