冬青
街灯の眩しさに
そっと目を瞑った
胸を濡らす悲しみに
そっと蓋をするように
臆病な私には
その光はやけに眩しすぎて
群がる羽虫たちが
いつもより大きく見えた
夕方から続く雪降りは
いつの間にか勢いを増して
ポケットに入れた缶コーヒーも
とうにぬるくなってしまった
吐く息は白いはずなのに
気のせいか薄く汚れて見えた
いつか 私の心から
不安の霧が消え去って
晴れ渡る日が来るのだろうか
いつか 君みたいに
優しく生きられる日が来るのだろうか
公園に歌う鳥たちは
きっと何処かへ消えてしまったんだ
音のない冬空は何だか優しく見えて
臆病な私は そっとそっと胸を撫でた
冬青