see you
大切な人に別れを告げることの悲しさがわかるだろうか?
君は僕のことを愛してると言ってくれた。
素直にうれしかったよ。
僕だって君を愛しているから。
愛してる。さようなら。
僕には付き合ってもう八年になる彼女がいる。
何で結婚しないかって?
そりゃ結婚したいに決まっている。
だけどできないんだよ。
ルイとは同棲していて、何不自由ない生活を送らせてもらっている。
料理は上手だし、なんでも話を聞いてくれて僕にはもったいないくらいできすぎている彼女だ。
ただ、一つだけ。
浮気はもちろんしてないって信じている。
でも、時々、ルイの体に痣ができているときがある。
僕は何回か聞いたことがある。
どうしたの?
ルイは痣について口を割ることはしなかった。
最初僕はルイが自分自身を傷つけているから話したくないのかなと思った。
だからルイが話したくなるまではそっとしておこうと決めていた。
でも頻度が増すにつれて僕は我慢が出来なくなった。
ルイを傷つけているものを知りたいと。
解決できるのなら一緒に解決してあげたいと思った。
ルイの言葉・行動に耳を傾けてみたり、悩みがないか聞いてみたり、
僕なりにできるだけのことはしたと思う。
だけど、五年たっても詳細を突き止めることはできなかった。
ある日、僕は会社の飲み会で泥酔してしまった。
次の日、社長に呼ばれ
あまり飲みすぎないでくれたまえ
と言われた
理由を聞くとまさかの事態に僕は驚きのあまり声にならなかった。
どうやら僕は飲みすぎると暴れてしまう酒癖があるらしい。
過去にも何回かあったそうだ。
何も言われたことないから知らなかった。
ルイのことが頭をよぎった
その晩僕は部屋に隠しカメラを設置してルイと飲んだ。
次の日、僕はルイの体を見た。やはり痣ができている。
覚悟を決めて、ルイに手紙を綴った。
八年間僕のそばにいてくれてありがとう
愛してるよ
幸せになって下さい
僕はカメラを持って家を出た。
僕は今白い部屋で過ごしている。
五年たってようやくルイを傷つけているものを見つけたんだ。
それは僕自身だったんだ。
ルイを傷つけたことは僕自身許すことができない。
罪を償ったところでルイが受けた心の傷がいえることはまずないだろう。
僕の自己満足だ。
これで許してくれるのならありがたい。
さようならルイ
see you
ルイがどう思っているのか最後まで聞くことが叶わなかったがルイが笑っているのなら僕は幸せだ。