ある田舎の事故現場

アスファルトに散らばった破片





ステンドグラスのように 綺麗だった










ぽた、ぽた、 と、

          滴る、食紅みたいな

                     赫。








フロントガラスいっぱいに膨らんだ、





   白い風船も、 赫  に染まる。














ぴーぽー   ぴーぽー     ぴーぽー

  ぴーぽー    ぴーぽー     ぴーぽー










人の波をかき分けて現れた、

担架に乗せられた なにか。










(もはやそれは、形を成していなかった)






               (ように見えた)













雨の中フラッシュ瞬いて



消えゆく生命の瞬きを、

                  奪った。









高低差は次第に小さくなっていき



   さいごは   棒 に  なった。










音は、消えていた。










週末行楽に出かけた家族の写真が











(親子5人で、笑っていたその写真が)












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ある田舎の事故現場

ある田舎の事故現場

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-01-18

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