ファムファタル・コンプレックス

ファムファタル・コンプレックス

   







   






   

   







  「ロールスロイスも、シャネルの5番も、モナコの別荘も、ルドルフ・ヴァレンチノみたいな男も、おおきなおっぱいも、あたしはいらない」
   







   






     
話    ファムファタル・コンプレックスは「ジンを飲みすぎた翌朝は飼い猫を連れてミニクーパで海を見に行く」のだという。
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
ル    ファムファタル・コンプレックスは「あたしはありがちな女であり、もっともありふれた都市収容者」なのだという。
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
夜    ファムファタル・コンプレックスを生んだ両親は「ポーランドの亡命貴族」であり、もっともそれは彼女のよくつく嘘の一つである。
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
ス    ファムファタル・コンプレックスの「子宮はワンコインのバーで、あたしの顔はずんずん突かれる切なさで滅茶々々」だそうである。

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
世   ファムファタル・コンプレックスは彼に愛されないくらいなら「寝てくれない男をスキンヘッドにして灯台の下で泣きたい」と願う。
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
神    ファムファタル・コンプレックスは「誰とでも寝る女になるんだ」と、誰とも寝たことのなかったサイテーのチンカス野郎の下で思う。
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
。    ファムファタル・コンプレックスのひそかで野蛮な妄想は、「ゆうべコインランドリーの乾燥機の中で死んじゃったあ」。
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
に    ファムファタル・コンプレックスの前科は運命のペニスへの高慢であり「でもあたしのコーマンと打算はあいつの指先で戦死する」。
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
を     ファムファタル・コンプレックスは万引きしたレンピッカの画集を眺めながら、「時々思い出したい男のことを思い出す」ふりをする。
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 



 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
術    彼は呟く。
 
 

 
 

 
 




 
 
る    「彼女はもうずいぶん長く生き過ぎた」
   







   






   

   







   

ファムファタル・コンプレックス

2005年ごろに最初に書いたような気がする。
長い時間をかけて作り変えてきたので、最初にどんな発想で生まれたのか憶えてない。
ファムファタルという言葉が大好きなので作ったのかもしれない。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

ファムファタル・コンプレックス

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-01-18

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