夜更かしさんのきみのため?ぼくのため。
とあるSNS上で、きみが誰かに返信を送っているのを確認。
時間は21分前、きっと今も起きているはずだ。
電気を消した真っ暗闇の寝室。
隣に寝ている父にバレないように、布団に潜って携帯を操作する。
発信する内容は...そうだな。
何となく、いつも思ってること!
でも、何に対してそう思っているのかは書かないでおこう。
携帯の明かりが漏れないように、
首をすくめて布団を被る。
はあ、と浅くなる呼吸が眼鏡を曇らす。
でも、拭かない。
無駄に動きすぎると怪しまれるかもしれない。
物音はなるべく立てないように。
...もう寝ちゃったかな?
少しだけ、がっかりした気持ちで、
静かに外した眼鏡と携帯を枕元に置く。
布団の中から伸ばした腕が外気に触れて鳥肌が立った。
大きな深呼吸を1つして、うつぶせになる。
確実にきみが起きている確証はない。
しかも起きている人はぼく以外にもいるはずだし、
そんな中でぼくに話しかけてくれる確証だって無い。
きみが起きてるかも!なんて、変に期待しちゃった数分前のぼくが恥ずかしい。
あーぁ、もう寝よう。
ひとつ寝返りを打って瞼を閉じる。
そのとき。
枕元から振動がきた。
それはまぎれもなく、ぼくの携帯の振動だった。
携帯の光なんて気にせず、
眼鏡もかけずにぼやけた視界で、僕は携帯の液晶画面を開いた。
そこには...
夜更かしさんのきみと話すためなら、ぼくは眠くたって布団の中で待ってるよ。
夜更かしさんのきみのため?ぼくのため。
はあぁ、今日も寝坊しちゃった...早く寝なきゃって思うのに。でも、夜更かし、しちゃうんだよなあ。