嘘つき

何も見えないんだ。
目の前にいる君も、近く起こる未来も、己の指先その角度すら。

見えないんだよ。
目を塞いでるわけじゃないのに。

怖いんだ。
とにかく怖いんだ。
真っ暗で、何も見えないんだ。
少しでも足を踏み出そうものなら、つま先から飲み込まれてしまうみたいで。

見えないから怖いのか。
怖いから見えないのか。

何が正しいかなんてわからないよ。
だって見えないんだから。
見えないって言ってるだろ!

本当に、本当に何にも見えないんだって…

嘘つき

嘘つき

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-01-03

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