終わらないのだ

眠りたくて、眠れなくて、それでもやっぱりいつの間にか寝静まるような僕は、弱気な幸福論ばかり唱えている。
星屑を見る余裕もないくせに、無闇に空を睨みつけたりとか。

欲しいものは何一つ手に入らなかったが、気づけばここまで歩いてきた。
何年経っても足取りは、ちっとも軽くはならないが。

急いでいる時に限って降ってくる小雨のような、粘っこい不幸と闘いながら今日も進むのだ。
もちろん勝者なんていないけれど。

言葉、言葉、言葉。
君の言葉が聞きたかったのだ。
腐り落ちかけた中耳に響く声で。

どうせこれからも生きていく。

終わらないのだ

終わらないのだ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-01-03

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