3Rs
プロローグ
肉が金網の上で炭火に炙られ、パチパチと踊る音が響く。
肉汁の匂い、店内にこもる熱気、皆の笑い声。
そう……ここは、焼肉屋【3Rsスリーアールズ】。
最近、この土地、多疑町たぎちょうに建てたばかりの店である。
この辺りは治安が悪い為、安く土地が買えた。
僕はこの店の店長、三上隆二みかみりゅうじ。
レタスのような透き通ったエプロンを着て、ぼくは毎日、水曜日の定休日以外は頑張っている。
水曜日は、仕事とは……ある意味関係しているけど、違う事に忙しいのでね。
そして今日は火曜日、明日が定休日だ。
毎日これだけの人数のお客様が来店して下さるのは嬉しい事なのですが、毎日は流石にね。
僕の仕事は、このレジに立ち、席の番号札を渡し、食べ終わったお客様がレジに来たら、お会計を済ませる。
後は網の交換や、炭を足すのが少々あるぐらいだ。
基本的には食べ放題で、皆様が席を立ち、肉を皿にのせ、乗せた分を肉を焼いて食べる。
どんなに食べても、4名様までなら1500円。
4名様以上の団体様は、1900円。
この値段の安さが売りでもある。
どんなに食べても、値段は変わらない。
だから人気が出た、とインターネットのサイトに書いてあった。
僕は笑顔で、レジに立つだけ。
そして、たまにお客様の中で、こんな事を言う方が居ます。
「何故こんなに安いのですか?」
私は笑顔で答えます。
「皆様の笑顔が見たいからですよ。」
痴漢冤罪
水曜日……野菜を沢山取り寄せられるよう、商談をしに隣町までいき今電車に乗り店に帰るところだった。
乗客は……今から家に帰るのだろうか、バッグを持って静かに立っている人も居れば、スマートフォンや新聞……携帯ゲーム機で遊んでいる人も居た。
そして、今、少し気にしている人が1人居た……三上と間を開けた右側にいる……ブレザーを着た金髪の女子中学生か、女子高校生だ。
先程から何やらチラチラと目を泳がせては、イライラしたような態度を見せている。
最初の方はまさか痴漢に合っているのでは?と思い視線を下に向けたが、痴漢にあっている訳ではないようだ。
三上は、少しその女性を気にしていると、、【まもなく……多疑駅〜多疑駅〜降口は右側です。】と車内アナウンスが流れ、三上は右側の扉のほうを見た。
その時。
先ほどの女性が。
「この人痴漢です!」
と、1人の男性の手を掴んでいる。
男性は、今自分の状況を理解出来ていないのか、目を見開いて、固まっていた。
すると、多疑駅に止まり、扉が開くなり、周りの男性達が、その男性を拘束し、男性は駅員に連れて行かれた。
勿論、その女性も状況説明の為、連れて行かれそうになったが。
「なんで痴漢野郎と同じ部屋に居なきゃならないの?私あたし帰る!」
駅員に腕を掴まれると、暴言を連発し、駅員の腕を振り払い、駅を出て行こうと、歩いて行った。
その時だった。
先程駅員に腕を掴まれ、振り払った場所の地面に、何やら手帳のような物が落ちているのに気付いた。
三上は、その手帳を拾い上げると1頁捲った。
そこには、あの女性の顔写真、そして名前は縁野実咲、何処の高校に通学しているかまで分かった。
三上、女性を追いかける為、走り出す。
○○○
キャバクラや風俗店、パチンコが立ち並ぶ多疑町の国道。
この道なりの先に、三上の焼肉店……3Rsがある。
三上は先程の女性を尾行していた。
手帳を返す為ではない。
この女性は、痴漢などされていない。
あの時女性の周りには、勿論男性はいたが、ずっと見ていた三上なら分かるが、女性の尻や胸に手が伸びていたような事実は無かった。
そして、先程、駅員達に痴漢の疑いで連行された男性、女性とはだいぶ離れていた。
もし痴漢するならば、腕が相当長くなければならない。
完璧な痴漢冤罪だ。
何かしらの理由で苛立っていたので、ストレス解消の為に男性を痴漢犯に仕立て上げたのだろう。
そして、これは別の話だが。
今、この場所まで来るのに、この女性は、二人以上の男性と食事や、ホテルに行っている。
恐らく、いや確実に援交だろう。
こんな事を言うのはなんだが、見た目通りの女性である。
なんとも、卑劣な糞野郎?いや、糞女である。
そんなこんなで、5時間以上尾行し、三上の店が見えてきた。
定休日なのもそうなんだが、国道にも関わらず人気が少ない。
三上は、少し歩くスピードを上げ、女性との距離を一気に縮める。
そして、女性の肩を軽く叩くと。
女性が振り向いた瞬間、首を絞めあげる。
女性は苦しそうにもがき、三上の腕を引っ掻いたりなどするが。
徐々に動きが少なくなり、遂には意識がなくなる。
殺した訳ではない。
三上は肩にかけていた大きなバッグを開き、女性を入れると、店の鍵を開き、店に入っていった。
女性は、小柄だった為、余り苦労すること無く店に入れた。
そして、三上は店内に入るなり女性の入ったバッグを背負ったままレジに行き、地下室のエレベーターを鍵で呼び出し、地下に向かった。
○○○
チーンと音が響き、扉が開くと、そこには。
全面コンクリートで出来た部屋があった。
壁には糸ノコギリから大きなククリまでの刃物がズラリと並び、解体台や、ミンチ機、業務用冷蔵庫まであった。
「さて、そろそろかな。」
三上は、バッグを開き、女性を解体台に乗せると、服と下着を脱がせ、手足をマジックテープとベルトで二重拘束する。
余分なムダ毛を剃り落とし、解体台横の道具掛けには多彩な刃物を掛ける。
そして、三上が糸ノコギリを手に取った、その時だった。
女性が目を覚ましたのだ。
「は?は、は、はぁ?なにこれッ!はぁ!?」
大声を上げる女性。
三上は少し顔を歪める。
「あ、あんたッ!この……変態ッ!!外せよッ!外せよッ!!」
三上はマスクを外すと、コーヒーを口に含み、飲み込む。
「うるさいなぁ……ちょっとは静かに出来ないの?」
女性は奇声を発しながら、バタバタと手足を振るう。
三上は油性ペンで暴れる女性の身体に印を書くと。
腕の印に糸ノコギリの刃を当てる。
「いやぁッ!外せッ!いやぁァッ!!」
三上はそんな言葉は耳に入れず、糸ノコギリの刃を女性の腕に擦り付ける。
糸ノコギリの刃は、女性の腕を水音をたてながら切り進んで行く。
「あ……アがッ!い、いやぁぁぁぁあッ!!」
糸ノコギリの刃が骨に到達すると、糸ノコギリを引き抜き、ククリに持ち替え、女性の露出した腕の骨に振り振り下ろす。
一撃では骨は砕けない為、また一撃、また一撃と何度も刃を振り下ろす。
骨が折れる音と共に、腕が女性の身体から離れる。
「あ、あぁ……。」
この時……三上は重大な事に気づいた。
「あ、血抜きしてなかった。」
三上は解体台のボタンを押すと、解体台は縦に移動し、女性の身体は逆立ち状態になる。
「帰して……帰してぇ……。」
力なく抵抗する女性の首を板で固定し、電動ノコギリを手にとる。
首に付いた印に、電動ノコギリの刃を当てると。
三上はスイッチを押す。
「ッ!!ッッ!」
食道に空いた切口から、息が漏れ出て、声が出ない。
そして、しばらくすると。
ブツンと音をたて、女性の頭が床に転がる。
そして、下に置いた大きなタライに、生首が転がり、その上から、大量の血液が流れ出る。
三上は、手を水で洗うと、椅子に座り、スマートフォンで曲を聴きながら、血抜きが終わるまで待っていた。
○○○
「こんなもんか。」
血が止まると、三上はもう一度ボタンを押し、解体台を元の位置に戻す。
そして、腕に行った作業を残った腕や脚にも行い。
腹をナイフで切り裂き、横隔膜を取り出すと、ハラミと書いてあるビニール袋に入れ、冷蔵庫に入れる。
そして、大腸や小腸を取り出し、中に詰まった汚物を洗い流し綺麗にすると、ホルモンと書かれたビニール袋に一部を入れる。
他と同様、腿は、モモ肉と書いたビニール袋に入れ、舌は、タンと書かれたビニール袋に切り分けて入れた。
そして、臓器をすべて抜き取った身体の背骨に沿うように、包丁を肋骨にいれ、ペキペキと外側に折り曲げると、全身の皮膚と皮下脂肪を剥がし、上半身はスペアリブの誰に切り分けて漬け込み。
下半身の肉は、子宮や膀胱、骨を抜き取り、ミンチ肉にし、先程余分に取っておいた大腸、小腸の皮に詰め込み、ソーセージにする。
それら全てを冷蔵庫に詰めると、残った頭を解体台に乗せる。
頭皮を剥がし、頭蓋骨を円上に切り、穴を開けると。
薄いピンク色の脳が見える。
三上はそれを器用に取り出し、ビニール袋に入れると。
ビニール袋の空気を抜いた状態で口を結び、脳を踏み潰して、ドロドロの液体状にしていく。
それのビニール袋の油性ペンで、ソースと書くと、冷蔵庫にしまう。
残された頭は、ムダ毛を全て巻とり機で引き抜き、熱湯で頭を煮込み続け、煮込んだ汁はザルに二三回通し、余分な目玉や皮膚を捨てていく。
そして、出来上がった汁は、スープバーのカレーのダシなどに使い、残った頭蓋骨は、コンクリートの壁に掛ける。
そして、1通りの解体が終わった所で、三上はシャワーで体全体を洗い流し、眠りについた。
明日、元気に店を開くために。
○○○
木曜日、今日は定休日明けで朝から沢山のお客様が来店する。
ハラミ、ホルモン、カルビ、ソーセージ。
色々な肉を食べていく。
皆様、笑顔で食べている。
そう、三上は。
この町を平和にするのが夢なのだ。
だから、社会のグズを殺す。
しかし、クズはクズなりに、役に立つ。
証拠は。
今、お客様方が、見せている笑顔。
誰も気づいていない。
今頬張っている者が。
縁野実咲と知らずに。
三上は、レジで、いつも通りの笑顔を見せている。
クズが減り、治安が良くなり、しかもそのグズの肉で皆様の笑顔が生まれ、より店が繁盛する。
三上は笑顔でレジに立つ。
「一石二鳥。」
麻薬密売
チュンチュンと小鳥がさえずる声がする朝。
僕は眠い目を擦り、ベッドから降りる。
シャワーを浴び、歯を磨き、そして私服に着替える。
「んぁ〜......今日は定休日だし、色々準備しなきゃなー。」
この前駅前でスリをしていた男のモモ肉を冷蔵庫からだし、フライパンで軽く塩胡椒をまぶしながら焼き上げる。
それを軽くみじん切りにしたキャベツと一緒に皿に盛り付ける。
炊飯器から炊きたてのご飯を器によそい、コップに手作りの野菜ジュースを注ぐ。
肉をナイフで切り分けると、フォークで刺し、口に運ぶ。
僕は、食事をしながらテレビのニュースを見ていた。
「あーら、今度は密売の可能性かー。」
ニュースには麻薬の密売がこの多疑町で行われている可能性があると報じられていた。
「毎日がこの町のニュースでいっぱいだな〜、ほぼこの町専用のニュース番組じゃないか。」
多疑町は、相変わらず治安が悪いままだ。
下手したら寿町より悪いかもしれない。
その時だった。
『麻薬の密売現場は多疑町の4区が中心になっている模様です。』
僕は、驚いた。
僕が店を構えているのは3区、隣の区だ。
「ん〜、まぁた繁盛しちゃうな〜。」
僕はニコニコ笑いながら肉を一気に頬張った。
場所は変わって多疑町第4区。
第4区は多擬町の中でも治安の悪さはナンバーワンだ。
僕はよくココでお肉を調達している。
麻薬の密売現場を探し出すのは至って簡単。
タバコを吸いながら汚らしい格好で歩いていれば寄って来る。
手には水のいっぱい入った水筒を入れた大きめの手提げ。
本当はタバコなんか吸いたくないけど、みんなの笑顔の為だから仕方がない。
周りのマンションや寄るに寄った宿などを見ながら歩く。
人の住む町とは思えない程の悪臭、ボロボロに剥がれた外壁、路上にハイになっているプー太郎。
いつ見ても最悪である。
すると、見た事もない吸引具で煙を吸う男を見つける。
「どうも!」
僕は笑顔で挨拶をする。
「うんぅん?あ?なんだ?」
髪や髭が伸び、鼻と口からは白い粘液を垂れ流しながらこちらに振り返る。
「あ、いえいえ、気にせず吸ってて下さい!ちょっとその煙が何なのか知りたかったもので!」
明らかにタバコのような葉っぱが燃える匂いではなかった、まるでプラスティックを燃やしたかのようなにおいだった。
「あ?あぁこれな、これはBOMボムて薬さ、頭が冴えてスッキリするぜ?何なら今」
そういうと男は懐から何かを出そうとする。
男の顔はスッキリしている様には見えない。
僕は周りを確認する、こちらを警戒している様子もなく、人気もない。
「いいえ!大丈夫ですよ!」
「ん?あぁ、そうか。」
男は懐に手に握った何かを戻そうとする瞬間。
僕は水筒の入った手提げで男の顎を殴りつける。
男はぐったりとその場に倒れこんだ、そして。
手提げから水筒を抜き取り、男の懐にあった一枚の紙切れを水筒にいれる。
そして手提げ袋を男の首に回し、口を縛ると。
近くに有った廃車のドアノブに引っ掛ける。
こうすることによって首を吊るし、窒息死させる。
そして水筒を倒した状態で男の近くに置く。
そして僕は、少し離れ、電柱に寄りかかり寝たふりをする。
こうすれば、僕の計画なら。
「えーがおーが見れちゃうぞ〜、ふふ。」
夜の1時。
僕は、自分の車が荒らされていないか確認をし、近くに止めさっきの電柱に寄り掛かっていた。
すると、四人の若い男女が男の死体の近くに止まった。
僕は目を閉じ、耳を澄ませる。
「あ?何で死んでんだ?」
男の声が聞こえた。
「しらねぇよ、ちゃんと薬漬けにした筈だったんだけどなー。」
またさっきとは違う声色。
「ションベン垂らして、キッタネー。」
ハスキーな声の女の声。
「あっ......あぁ。」
声を押し殺して、何か言いたげな声をした女。
「あの紙、持ってかれてねぇだろうな?」
「ジャケットの裏、ねぇな。」
「この手提げ……ん?」
「は?どぉしたの?」
ハスキーな声の女が聞く。
その時だった、水が溢れる音が響く。
「やっぱあった、ビショビショでも見つかったら大変だからな。」
水筒に気づいたらしい。
「紙見つけたし、帰っか!あ、水筒と手提げ、一応持ってけ、何かあったらやだからな。」
そう男が言うと四人の男女の声が遠ざかっていった。
僕は、電柱から離れ、車に戻り、店に戻ろうと車を走らせる。
運転をしながら、僕はニコニコ笑いながら。
「礼儀知らずは大っ嫌いなんだよねー。」
そう言った。
一週間が経ち、また定休日が来た。
僕は元々いろいろな資格を持っているため、大体のことは出来る。
そうまさにいま、麻酔を作り終え、ガス式釘打ち機の釘を入れるタンクに麻酔をなみなみ入れたところだ。
防水加工はしたから故障はしない、完璧なはず、だ。
たぶんね。
スマホをチェックする。
水筒と手提げに鼻クソぐらいの大きさのGPSを付けた。
あぁいう連中は用心深いから不審なものは自宅で廃棄する。
それに賭けた。
GPSは多擬町第二区にある......随分とデカい家にある様だ。
「おー肉!おー肉!」
僕はルンルンでバッグに釘打ち機を入れ、空のボートケースをバンの荷台に積み、その嘸かしデカい豪邸に向かった。
◯◯◯◯◯
暫く経って、大きい門が見えてきた。
僕の服装はこの第二区では一般的な宅配者の服を手作りしたものを着ている。
侵入の仕方は簡単だ、門の前にバンを止め。
「宅配便です!」
すると門が開く。
(門の割にはセキュリティー甘いな〜)
僕は笑うのを我慢しながらバンに乗り、車を敷地内へ走らせた。
◯◯◯
ドアの前に着き、バンから降りる、そして、台車に空のボートケースをのせて麻酔釘打ち機を腰にしまう。
すると、派手な服に身を飾った婦人が出てくる。
「あら?こんなの頼んだかしら?」
「旦那は出かけてるし〜、あ!あの子かしら!」
婦人はこちらに歩み寄ると。
「ごめんなさいね〜私今から出掛けちゃうので玄関において下さらない?」
僕は笑顔で。
「ええ!構いませんよ!」
婦人は笑顔で。
「良かったわ〜、ごめんなさいね〜迷惑かけちゃって。」
僕は。
「いえいえ、僕はこれで食べていけてるので!」
「ふふ、じゃあよろしく頼むわ。」
婦人は笑顔で手を振ると車に向かう。
ぼくは周りを見る。
監視カメラはない、やっぱセキュリティーが甘いな。
すると僕は釘打ち機を婦人の太ももに向け、発射する。
婦人は「かはっ!」と掠れた悲鳴をあげ、その場に倒れる。
目を見る、意識はない。
僕は婦人を抱えるとバンの荷台に積み、更に拘束した上で扉を閉める。
「ふー、さーてと。」
僕はニコニコ笑いながら玄関のドアノブに手をかける。
「お仕事、しますか!」
◯◯◯◯◯
台車とボートケースを持って玄関に上がる。
綺麗な家だ、まるで美術館のような。
(おっと、あんまりのんびり出来ないな。)
僕は階段を上がる。
ああいう連中は二回に部屋を置く場合が多い。
すると、1つの部屋からとんでもない音量の音楽が流れて聞こえた。
耳を澄ませると、微かに四人分の人間の声が聞こえる。
僕は釘打ち機をボートケースに入れ、ドアを叩く。
すると、茶髪のソフトモヒカンの若者が扉を開いた。
「どうも!宅配便の者です!」
「あ?なんも頼んでねぇよ!」
僕は笑顔で部屋に自然に入ると、入り口手前にボートケースを置く。
部屋には彼を合わせ四人。
「いえいえ何を言っているんですか!」
僕はボートケースを開き釘打ち機を握る。
僕は茶髪のソフトモヒカンの若者の太ももに釘打ち機を向ける。
「宅配便ですよ!」
そして発射する。
そして、部屋にいる男女四人の太ももに釘を撃ち込む。
僕は釘打ち機を腰にしまうと。
一人一人ボートケースに入れる。
そして四人入れると、階段を滑らす様に玄関外まで運ぶ。
そして、バンの荷台に積むと、運転席に座り、車を走らせ、敷地から出る。
僕は店に向かいながら鼻歌を歌っていた。
「お肉ックー。」
◯◯◯◯◯
僕はバンを店の駐車場に止め、荷台からボートケースを引きずり出し、地下用リフトに乗っける。
ついでに婦人も、偽装の鉄パイプと一緒にブルーシートに包み、地下用リフトに乗っける、そして。
計五人を店の地下室へ運んだ。
◯◯また次の定休日、場所は変わって焼肉屋3Rs地下室◯◯
「ふぃー疲れた〜。」
僕は半透明のレインコートを着て、汗を拭う。
若い男女四人を逆さに吊るし、準備が完了する。
「さーてと、始めよう!」
黒のマジックペンを握り、四人の首に印をつけていく。
その時だった。
「んん?あぁ?」
「あんだ?こりゃあ!?」
「うぅん、は?はぁ!?」
「えっ、えっ、何これ!?」
四人が起きてしまった。
「あーれれ?調合ミスったかな?」
僕は頭を傾げながらほおを膨らます。
すると四人が大声を出しながらこちらを威嚇しだす。
「うへぇ、うるさいなー。」
僕は先程婦人と一緒に下げた鉄パイプを握ると。
茶髪のソフトモヒカンの若者の膝にフルスイングで殴る。
悲鳴をあげる若者。
僕は頭を掻きながら。
「うるさくするとこうなるよ?良いの?」
すると、一瞬にして四人は静かになる。
僕は、ある事を思い出した。
「あっそうだ!みんなお腹空いてるでしょ!」
僕は小走りでフライパンからハンバーグを出すとみんなの近くに置く。
「この一週間、栄養剤だけで栄養あげてたからお腹ぺこぺこでしょ!」
僕はナイフでハンバーグを切り分けると、フォークで刺し四人の口に入れる。
四人は幸せなそうな表情と共にそれを飲み込んだ。
しかし、茶髪のソフトモヒカンの若者は嫌な顔をしている。
茶髪の子は、ペッと口から何かを吐き出す。
僕は手袋をすると、それを拾い上げる。
「あれ?簡易遠心分離機で骨と肉分けたんだけどなー。」
僕は拾い上げた物を四人に見せる。
それは派手なマネキュアのついた爪だった。
四人の顔が青ざめる。
僕はニコニコ笑いながら。
「美味しかった?」
四人は吊るされた状態で嘔吐する。
「あれ?お口に合わなかったかな?まぁ、いいや。」
僕は四人に背を向け、ハンバーグを片付けようとする。
すると、背後からキリキリと、何かを切ろうとする音が聞こえる。
僕は振り返りながら茶髪のソフトモヒカンの若者の顔面を鉄パイプで力強く殴りつける。
顔面にめり込んだ鉄パイプを引き抜くと、脳みその欠片が辺りに散らばる。
「あーりゃりゃ、こりゃ血が逆流しちゃったな、しょうがない、僕が食べよう。」
周りからは悲鳴、泣き叫ぶ女。
すると、この前聞いた声を押し殺していた女の子が。
「ま、麻薬の件でしょ!欲しかったら全部あげる!だから許して!私だけでも許して!私、私ちがう!」
その時だった。
僕の顔から。
「は?」
笑顔が消えた。
僕は女の子の髪を掴む。
「僕はね、君みたいな女がイッチバン嫌いなんだ。」
「今更私は違う?馬鹿にするにも程があるよ。」
女の子はシクシク泣きながら。
「許して……許して。」
僕は頭を掻きながら。
「ん〜、そうだなー、じゃあさ。」
僕はニコニコ笑いながら。
「今から君の全身の毛という毛を剃る、それに耐えれたら良いよ!」
「耐える!耐えるからお願い!!」
吊るされているもう二人の方も見る。
「君達も、この子が耐えたら見逃すよ!」
三人の顔には希望に満ちていた。
◯◯◯◯◯
女の子を台に乗せ、服と下着、靴下、そしてアクセサリー類を全て取る。
女の子は素っ裸。
僕は剃刀を出し、脱毛クリームを塗りたくる。
そして滑らす様に毛を剃っていく、勿論髪の毛も。
ふと女の子の顔を見る。
涙を浮かべていた。
そして全て剃り終えると、ホースを使い身体を洗い流す。
女の子は四肢を縛られた状態で。
「こ、これで!」
僕は黙ったまま、彼女を他の台に乗せる。
ミンチ機の台に。
彼女は叫ぶ。
「ねぇ!!助けてくれるんでしょ!?」
僕はニコニコとする。
「いや?」
僕のその一言共にミンチ機は動き出す。
女の子は身体を捻りながら叫ぶ。
「クソッタレ!外せ!外せよ!!おい!!」
女の子はどんどんミンチ機の刃へと近づいて行く。
「いやぁ!外せ!いやぁ!お願い!!お願いします!!」
女の子は顔から出る液体を全て出しながら叫んだ。
一方僕は。
「挽肉足りなくて困ってだんだよねー。」
女の子は。
「お願いします!!本当にお願いしますぅぅ!!」
そして刃の1つが女の子の額に迫った。
「おねッ」
水音と骨が砕ける音、そして機械音と共に女の子の身体はどんどんミンチになって行く。
吊るされたまま唖然としている二人。
死んだ後もミンチになりながら失禁?いや、潮?まぁどちらでも良いが股間から何かを噴き出している女の子。
骨や皮、血液、そして臓物は機械が弾いてくれる。
糞は既に婦人を解体している時に全て出しておいた。
チーンと音がなり、女の子がミンチになり終わる。
僕は。
「おーいい感じじゃん!」
吊るされた二人は男は失禁し、女は嘔吐していた。
僕は二人に向けてニコリと微笑むと。
「ありがとう!」
そう言った。
◯◯次の日◯◯
店にはソーセージとハンバーグが激安と書かれた旗を置いた。
相変わらずの大繁盛。
僕は御満悦だった。
みんなみんな笑顔。
僕は。
「またの御来店をお待ちしています!」
笑顔だった。
3Rs