87
この葉が駆ける
いつだってふゆは いつの間にか秋を追い越していく
君がいない
わたしは夏に取り残されている
たぶん、きっと、まちがいなく
君の心を
掴んで離さなかった赤い帽子
見せたいものがあった
見たいものがまだ あった
喜ぶ声を聞いてうるさがって
缶ビールをもう一本渡したかった
どうして願いは
叶わなくなってはじめて
生まれてくるのだろう
木枯らしにちぢこめた体に
君の血が流れている 生きている
それだけがいまのわたしを繋いでいる
20161109
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この葉が駆ける
いつだってふゆは いつの間にか秋を追い越していく
君がいない
わたしは夏に取り残されている
たぶん、きっと、まちがいなく
君の心を
掴んで離さなかった赤い帽子
見せたいものがあった
見たいものがまだ あった
喜ぶ声を聞いてうるさがって
缶ビールをもう一本渡したかった
どうして願いは
叶わなくなってはじめて
生まれてくるのだろう
木枯らしにちぢこめた体に
君の血が流れている 生きている
それだけがいまのわたしを繋いでいる
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