87

この葉が駆ける
いつだってふゆは いつの間にか秋を追い越していく

君がいない
わたしは夏に取り残されている

たぶん、きっと、まちがいなく
君の心を
掴んで離さなかった赤い帽子

見せたいものがあった
見たいものがまだ あった

喜ぶ声を聞いてうるさがって
缶ビールをもう一本渡したかった

どうして願いは
叶わなくなってはじめて
生まれてくるのだろう

木枯らしにちぢこめた体に
君の血が流れている 生きている
それだけがいまのわたしを繋いでいる



20161109

87

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-12-31

Copyrighted
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