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夏の名残のように
ペディキュアがまだ
親指にいる

ピンクの
ビビッドピンクの
爪を見ながら
6月を探している

紫陽花は随分前に散って
オレンジ色に街が染まってしまった

絶望とはなんだったのか
サヨナラとはなんだったのか

時折好きになる彼の髪色は
もう赤くない



20161020

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-12-31

Copyrighted
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