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黒髪のおんなのこの手を君が握る
わたしはそれをじっと見ている
隠れもせず
正面からじっと
じっと見ている
その視線は君の心臓を通りぬけ
遠くへ 遠くへ 飛んでいく
せめて君のおんなのこのその黒髪に
呪いとして染み込んでくれればいいのに
そんな願いは叶わない
走り去っていくふたりの愛と
風にたなびく彼女の黒髪は
憎むことも面倒になるくらい美しかった
死んでほしい
それが無理ならせめて
かっこよく走り出した君が
なにかの角に小指をぶつけて
のたうち回るところを
世界中の人間に見せて欲しい
そうでなければ報われない
わたしの視線が報われない
20160914
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