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君の思い描くシンジュクになりたかった

通り過ぎていくひとが多すぎて
絶望がわからなくなっている

遠くにいるあの人が
わたしのごはんを心配してくれて
たったそれだけの事実で
きっと人は3分だけ生きられる

ほしいものないよね
そう言い聞かせて
マイナスの通帳を眺めていた

一人暮らしなんてしなければよかったな
でももう君のそばにはいられなかったから
これはわたしの戦いなんだ

君の思い描くシンジュクになりたかった

重ねてきたさよならも憂鬱もゆめも
君のためだけに光っていてほしい

季節はまだ夏
君がいなくなってまだ3ヶ月しか経っていなかった


20160830

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-12-31

Copyrighted
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