浴室

桐原 水刃

あめが降ってくる
頬を冷気の粒がうつごとに
削がれてささくれ立つ鬱屈

気だるい午後の日陰には
不可思議な憂鬱が忍び込み
あかるげに記憶をかき乱す

息を吐き切るたびに
錯乱の裡で明瞭になる思考
切れ味のいい敵意を噛み砕き

シャワーを浴びるたびに
繊細に研ぎ澄まされていく 
私の本質が眠気眼(ねむけまなこ)を覚ます

浴室

浴室

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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