今夜は正しかった
君が君の誕生日を言えることは
誰かを信じた事の裏返しで
幼い心で区別は付かないまま
隔てた壁などあの時はなかった
卑屈な思索に耽た夜に
寄り添う詩歌がいくつあるか
齟齬が噛み合わぬ夜に
代弁者足る詩歌がいくつあったか
「人が嫌い」と言うよりは
そうあろうとしていただけかもね
「悲しい苦しい」と言うよりは
笑っていたかっただけかもね
ふたりになれた日々
ひとつの思い出として
孤独を持ち寄ってその時だけの人間味
噛み締めて 噛み締めて 手を握って
君だけ(僕だけ)が正しかった夜に
今夜は正しかった