瀬と淵と
時の瀬に立って
歴史の風を額に受けて
命の流れに足を取られぬよう
歯を食いしばり想う
アレッポの子供と
日本の頬の赤い幼子の
どこが違ったというのだろう
(朝
妻の剥いた林檎をかじると
口一杯に愛の余韻)
戦禍や天災に苦しむ人と
満腹で温かい床につく人と
どこが違ったというのだ
ふと
誰かに背を押され
わたしは歴史の淵へ
落とされる
呆れるほど冷たく深い河で
敢えて踠かず
わたしは冷静を振り絞り
希望を思い出す
乳母車で笑う
林檎の頬の幼子を
瀬と淵と
時の瀬に立って
歴史の風を額に受けて
命の流れに足を取られぬよう
歯を食いしばり想う
アレッポの子供と
日本の頬の赤い幼子の
どこが違ったというのだろう
(朝
妻の剥いた林檎をかじると
口一杯に愛の余韻)
戦禍や天災に苦しむ人と
満腹で温かい床につく人と
どこが違ったというのだ
ふと
誰かに背を押され
わたしは歴史の淵へ
落とされる
呆れるほど冷たく深い河で
敢えて踠かず
わたしは冷静を振り絞り
希望を思い出す
乳母車で笑う
林檎の頬の幼子を
瀬と淵と