the Quest

はてしない憧憬をめのまえにした崖の上で、この世界を征服した気分になる。まっさらなくうきを深くすいこんだら透明になりかけた。まあのぞむところではある。つめたいとつめたいはぶつかりあうと共鳴する。そして溶けあい調和する。うつくしい音色が鐘のようにかなたまで響わたる。風が吹きすさぶ、草原が波をうつ、夜になれば空一面に宝石のような星が散りばめられる。宇宙は宝石箱である。どこでもかってにせんをむすんでいいよ。ぼくはきみをずっとまえからしってた。遠いきおくのこと。宇宙のどこかでまだいきつづけているきおく群。だからかってに結びつける。変わりつづける、はなれることのないとわをつくる。私は際限ない郷愁を知っている。見つかっているのにさがしつづけなければならない答え。あなただと分かる瞬間はどこでしょう?大迷宮の扉はどこでしょう。だれかがそーっと息を吹く。ふりむくとやさしく視界を覆われる。隠された声のあるじ。くすぐったいような声でささやかれる。知るよしもない言語を無意識が捉える。きみが選んだ糸はどれでしょう?きみはいま何をしているでしょう。鍵穴をみつけたら、きみがぴったりはまるようにしておくように。夕焼けがあたりいちめんをよろずの身でもって染めあげる。水面がキャンバスと化す。海はしずかに夜をまつ。あなたはあなたの覇者。運命はあなたにかしずく。みつけた星座の神話を想う。遠いような近いような、夢のような現実のような、虚構のような真実のような、ピリオドの手前。冷たい海に夜が沈みこむ。手にいれたい手にいれないとおわれない手のなかのあれ。円環のクエスト。

Dear
all freaks I love
all little monsters I love

the Quest

the Quest

17才頃のインスピレーションです

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-12-29

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