突然 待たされた詩
し ま っ た ぁ !
(詩、待ったぁ)
「しまったぁ」・・・・・・・その言葉がわたしの口から吐き出されたとき、わたしは知ったのだ、恐ろしい真実を。ゆっくりとポケットに突っ込んだ手を引き出し、握り締めていたものを、わたしは見つめた。
・・・・・・姉の生理用ナプキン。この麗らかな春の陽気、花粉症の激しいわたしはポケットティッシュを欠かせなかった。しかしわたしは『とと姉ちゃん』の最終回をどうしても見過ごせず、遅刻寸前に学校へたどり着いた。恐らくその慌てぶりの結果としてわたしはティッシュとナプキンを間違えて持ってくるという失態を招いたのであろう。
折りしも今、朝の朝会の後の抜き打ち風紀検査の繰り広げられている真っ只中にわたしはいた。わたしが体育教師の検査の餌食になるまであと3人後。わたしは小刻みに脚を震わせながら、まもなくわたしが長らく恐れていたレッテル「変態」の濡れ衣がわたしに歩み寄ってきたことを確信したのであった。
(西園寺 璃瑠樹 『青春・そしてNHK朝ドラの功罪』 所収)
突然 待たされた詩
一発芸的な駄洒落である。
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