Iさん考察日誌
アウトローな働くおっさんの素顔に迫る、緊迫のマイノリティリポート
Iさん考察日誌
Iさん(50歳前後)
彼の見た目は、派手なネクタイにオールバック気味の(完全なオールバックではない)元ヤンのような髪型
いかついメガネを着用
本人曰く、浜田省吾や吉川晃司に憧れているとのこと。(浜田省吾になりたい、名字を吉川に改名したい…等不穏な発言多々)
車好き
自分の真横に課長、部長のデスクがあるのだが、
彼はそんな事など気にも留めず、一瞥もくれず
延々と無駄話をする。(内容は課長らにダダ漏れ)
無視するわけにもいかず、私は彼と適当に会話をしなくてはならないハメとなり、課長らに不真面目に思われないか心配になる。
彼が話かけてくる内容といえば
「美味しいラーメン屋さんはどこだ、ここはまずい、うまい、」
「上司と2人きりで食べるのは緊張する」
「新しい車をかった」
「今週末は街にでる、ヨドバシカメラで新製品を見てくる、
一緒にいくか?」
「駅ビルの駐車場は1時間無料なんだよなぁ」
「今日の食堂メニューはなんだ」
(パソコンでグーグルアースを立ち上げ)
「ここにいったことがある、心霊スポットだ、出るんだ!」
私は自分のデスクを離れわざわざ彼のパソコンを覗きにいって、へぇ、ここですか?こわぁい!等、相槌せねばならない
等、些細な話、自然発生的な話から与太話までとめどなく、脈略を一切無視し新たな話題に移るというスタイルを貫いている。
しかも、最初の入りが
独り言風なのである。
周りのデスクの誰かに構ってほしく、話を拾って欲しいのだが
小心者の為か、はたまたなにも考えていないのか(おそらく後者)
独り言を言うところから始まる。
「寒みぃ〜、寒みぃ〜」
(周囲の皆が聞いているが応答しない)
私は小声で「寒いですね」と一応当たり障りのない返答をする。
なんせ上司ですから。
私のデスクは彼のデスクの斜め向かい合わせなので、多少会話にエネルギーがいる。(真横にいたら聞き取りやすいだろうに)
そうして、唐突な会話が繰り広げられる。
ここにきて2日目、
給湯室で洗い物をしている際に話しかけられたのをきっかけに
仕事中もデスク越しに会話をすることとなった。
いまでは私は彼にギャルと呼ばれている。
彼の良いところはまずフレンドリーな点である。訛りのある砕けた話し方をする。
自然とこちらも訛って話すため、心理的な距離が比較的すぐに縮まる。
なまりながら浜省や吉川がいかにかっこよいか、自分がどれだけ彼を好きか語り始める。
私は彼曰く吉川ひなのに似ているとのことで、
きっかわとよしかわ
読みの違いだけだが、なぜか親近感を抱かれた。
独特な点に、シンパシーを感じられた。
吉川晃司の番組を録画するために、
自動録画キーワードに吉川を入れていたら吉川ひなのの出演番組が録画されていたとのこと。
真矢みきのファンで真矢みきを録画するはずが
ルナシーの真矢が出演番組する番組を取ってしまった、と同等の話をされた。
彼の観察は続きます。
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