昔、香ににほふものありけり
花と言えば卒業式の日、先輩に花束を用意したんだけれど、その先輩のことが好きだという娘がいて、「わたしに頂戴」というので泣きたい気持ちで譲りました。
というよりか、なんで自分で用意しなかったんでしょうね。卒業式に六千円程度の花束は、かならず用意するものですよね。
花よ あなたは何もしてくれないけど
花よ あなたに会えた それだけでいい
なにかを期待するのじゃなく そこに
在って欲しいから
花よ 昔の香に匂う なにかを残して 立ち姿艶やかで
花よ あなたに伝えたい それだけなのに
なにかを奪うのじゃなく
そこに いて欲しいだけ
仰ぐと凛とたたずむけなげさよ
可憐にくくられたリボンも
四角いケースの中
花よ 花よ 花よ……
わたくしには十分だ
そこにいて欲しい
それだけで いい
昔、香ににほふものありけり
お読みくださり誠にありがとうございます。