三ツ矢サイダー味のポテチ

紅蛇 作

※研究のために、複数の人が共同で使用しているアカウントです。作品に感想を入れてくださると嬉しいです。宜しくお願い致します。

紅蛇さんによる作品です。

この作品は、「コンビニ少女ミエコ+ドクターペッパー(売っていない)+教務主任(村木)」というお題のもと、作られた作品です。

 少女の名は美恵子であった。彼女は毎週通っている読書クラブへ向かった。向かう途中から彼女は喉が渇いたのでコンビニへ行こうか考えていた。彼女はそんなことを悩みながら、読書クラブのある教室へ入った。教室のあるビルの名は三時ビルであった。
 三時ビルへ入ると二人の部員が話し合っていた。何を話し合っているのかは気にしないまま、彼女は「コンビニに行こっかな?」と担任に聞いた。
 担任の先生の名は目白。目白ヘイユウであった。目白氏は「何を買うんだい?」とパソコンから目を離さずに彼女に聞いた。冷たいやつめ、と思いながら「三ツ矢サイダーだよ!」と彼女は元気よく返した。
 「はぁ?三ツ矢サイダーってぇ? 何言ってのよ!!」その会話をこっそり隅から垣間見ていた、教務主任の村木が思わず口に出した。
 「はい、三ツ矢サイダーです! 駄目ですか?」彼女は村木氏に可愛く聞いたが、そんな可愛げも村木氏に悲しく壊された。
 「駄目。ドクターペッパーにしなさい。ルートビアでも許してあげるわ。私、ビールよりも好きなのよ」彼女はその返答に困惑した。彼女はこのクラブにいると三ツ矢サイダーを飲みたくなる性分だったのだ。それでも村木氏は困惑している彼女を気にせず「ドクターペッパーにしなさい」と冷たく言った。村木氏は虎の様な人であった。彼女はそんな性格を知っていたので「は―い。ルートビア買ってきまーす」と渋々買うものを変えることにした。そうして彼女は教室から出て行き急いで三時ビルの横にあるコンビニへと向かった。中へ入ると学校帰りに立ち寄ったであろう、生徒達で中が埋め尽くされていた。
「げげ、先輩じゃん」ゲーム好きの後輩が彼女に話しかける。彼女は彼と目を合わせてすぐに逸した。今はかまちょに構っている時間がないのだ。彼女は目を逸らし、返事もしないで飲み物コーナーへと急いだ。お茶、缶コーヒー、エネルギードリンク、ジュース、色取り取りのラベルの貼られた飲み物が並んでいた。違う、違う、違う!彼女は焦った。どこにもドクターペッパーの文字がなかった。彼女は飲み物コーナーの前を行ったり来たりし、悩んだ。悩みに悩んだ結果、最初に買おうとしていた三ツ矢サイダーを買うことにした。それから精神を使い過ぎたため、お腹が空いていた。
彼女は片手に冷えているサイダーを持ちながら、お菓子コーナーへと移った。彼女は部員へのおすそ分けを考え、大人数でも食べやすいポテチを選んだ。コンソメ、のり、塩、人気の味も捨てがたい。でもやっぱり期間限定の三ツ矢サイダー味のポテチもいい。彼女はまた、悩み言い始めて一番最初に目を付けていたコンソメに手を伸ばした。三ツ矢サイダーとコンソメ味のポテチを両手で抱えながらレジへ行く。店員は先週と同じ人だった。名前はまだ知らない。というかどうでもいいが中々の腹をした人である。などとしょうもない事を考えながらお金を払って「ありがとうございましたー」という声に見送られ、ビルへ戻ることにした。
彼女は教室に入るのが怖かった。中に村木氏がいるのではないのか。三ツ矢サイダーを見て鬼の形相で怒るのではないのか。とまた悩んだ。悩んだあげく、勇気を絞り出し教室の扉を開けるとそこには……。
そこには村木氏の姿はどこにもなかった。いたのは腹黒い教師と可愛らしい彼女の後輩たちが「おかえりー」と言ってくれるだけであった。彼女はその暖かでアットホームな教室に踏み込むと、部屋の空気が一変して冷たくなった。ま、まさか村木氏が……!と彼女は思い後ろを振り向くと……。誰もいなかった。きっと扉を閉めていなかったからだろうとポジティブになって「ただいま」とみんなに返した。
それからは読書クラブと彼女は真新しいポテチの袋を開け、話を始めた。新しいみんなで書く小説、少女と教務主任の飲み物の話について。でもそれは違うお話。
少女の名は美恵子であった。彼女は読書クラブの一員で三ツ矢サイダーが好きである。

三ツ矢サイダー味のポテチ

三ツ矢サイダー味のポテチ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-12-23

Copyrighted
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