『不幸を拾います。』
紅蛇 作
理佐ちゃん 編
※研究のために、複数の人が共同で使用しているアカウントです。作品に感想を入れてくださると嬉しいです。宜しくお願い致します。
紅蛇さんによる作品です。
ゴミ溜めに暮らす子供のように、僕は赤の他人の不幸を拾って生きています。
たまぁにですけど調子のいい時は、幸福も拾って暮らしています。
不幸は誰でも要らないモノですけれども、幸福はねぇ……。
きっと捨てられたのではなく、置き忘れたものでしょうね……。
でも僕は警察には届けません!僕は幸、不幸、関係なく拾っていますから!
えーと……、それでなんでしたっけ?
あぁあ、はい。
ダンボールに暮らす大人のように、僕は赤の他人の不幸を拾って生きています。
なぜ拾うかって?可笑しな質問をする人もいるのですね……。
理由は簡単です。ゴミを拾う仕事の人もいれば、不幸を拾う仕事もあるということです。
定期的に誰かが拾って綺麗にしないと大変です!不幸な世界は嫌でしょ?
ゴミ拾いの人もたまにお金を拾うことがあるでしょう。
それと一緒で僕はお金ではなく「幸福」なんです。
わかりやすいでしょ?
夢世界に暮らす獏のように、僕は赤の他人の不幸を拾って生きています。
僕の悩み聞いてくれます?
不幸をポイ捨てする人が最近増えてるんですよねぇ……。
いやぁ、最近の人ったら。特に若者の皆さん!
不幸のポイ捨てはもう辞めてください。捨てるなら不幸ではなく「幸福」を!
こほん。いやぁ、すいません。つい取り乱してしまいました。
えーとそれで後は何を話しましょう?
僕が不幸を拾ってどうやって暮らすか?
それは簡単です。食べるんです。獏が悪い夢を食べるように、猿がバナナを食べるように。
僕は不幸を食べて生きているんです。いいでしょう?
でも正直のことを言っていいですか?
実は言うと不幸を食べ過ぎて、飽きちゃったんですよね……。
幸福の方が美味しいんですけど、たまにしか拾えないんでね……。えへへ。
だーかーらー!僕はこれから……
皆様の不幸を拾う仕事を辞め、皆様の幸福を盗む仕事をしたいと思います。
えぇ、俗に言う盗人ですけれども警察には逮捕されません。
だって「私の幸福が盗まれたんですぅ〜」って言えますか?
ただの頭のおかしい人だと思われて終わりです。
それに他人の幸福を盗んではいけないという法律はないでしょう?
っていうことで、これから僕を見かけたら「幸福が食べられる」と覚えてください。
では、
僕が生きている世界に暮らす人間のように、僕は赤の他人の幸福を盗んで生きてきます。
『不幸を拾います。』