『叫んだ後は静けさが訪れる』
紅蛇 作
理佐ちゃん 編
※研究のために、複数の人が共同で使用しているアカウントです。作品に感想を入れてくださると嬉しいです。宜しくお願い致します。
紅蛇さんによる作品です。
「僕たち、子供は奴隷で大人たちは飼い主なんだ!」と小さな男の子が叫んだ。小学生の彼は「奴隷」という言葉を覚えた。小さきながらその言葉の意味がわかったのは「不公平」「平等ではない」「理不尽」「悲しい」「怒り」という感情を味わったことがあったからだ。
「子供は大人たちの奴隷なんだ!みんな目を覚めて!僕らは解放されるべきなんだ!」
彼は精一杯叫んだ。すると隣で彼を見つめていた女の子が「奴隷ってなぁに?」と聞いた。
男の子はその質問を聞き「奴隷っていうのは僕たちのことなんだ。先生は調教師、両親は飼い主。僕らは飼わされていたんだ!」と唱えた。
「どうして大人はそんなことするの?」
女の子は負けじと問いかける。
「それは大人が子供だった頃にそうされたからだよ!」
「なんで同じことを繰り返すんだろう?私なら同じことをしないで、こんな事にならないようにするのにな…」
「僕もそう思ったんだ。だからこそ、今変えようとしているんだよ!」
男の子は目を輝かせながら話していた。
「どうやって?」
「僕らは解放されるべきだとデモをするんだよ!たくさんの仲間達を集めて叫ぶんだ!」
そう男の子がクラスの中心で叫ぶと一人の先生が入ってきて男の子を連れ去った。
「あらら…貴方の考えは素晴らしいけど無理そうね」そう女の子は呟き出て行った。
『叫んだ後は静けさが訪れる』