季節

懐かしいだけの服を着て
懐かしいだけの街へゆく
懐かしいだけの店に入り
懐かしいだけの楽しさに
想いを馳せる夏の午後

愛しいだけの君といる
愛しいだけの思い出を
愛しいだけの夢にみて
愛しいだけの花を摘む
彼岸で眺める紅葉模様

新しいだけの靴を買い
新しいだけの装飾に
埃を被った感傷と
新しいだけの日々の中
肩を寄せ合い涙ぐむ

春はこない
春はこない

そんな孤独の囁きに、刃向かうように、夢をみる。
撫子色の夢をみる。

季節

季節

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-12-23

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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