Anti Triumphalism
「最後は必ず正義が勝つ」が書き出しの
読み古された小説 題目も掠れて分からない
右/左に分別出来ない思惑が
約7百万年もの間 飽和状態のまま化石となって
「幸福の為に」とそこに打ち付けられた僕達も
板切れを奪い合う最中に他人の顔なんて見ていない
ダンプサイトに生きる少女が日本のインタビュアーに
「私って臭い?」と聞いていた映像が忘れらないのに
それが真っ当でないと否定しきれない僕らが
さも血も涙もない奴らだ、と糾弾される生活に
嫌気が差す
朝陽が射す
11才の少年が戦場で兵士を刺す
僕の右側を貴方が歩き更に右側を誰かが歩き
いつの間にか僕の左側には誰かがいる様な
当たり前の可笑しさに気が付けないの何でだ?
「最後は必ず正義が勝つ」ならきっと
最後にはみんなが勝つのだろうな
荒廃した大地に勇み立つ者などいない
勝利は永遠へと持ち越されていくのだろうな
読み古された小説 題目も掠れて分からない
Anti Triumphalism