まみれる

いえないことが
つみかさなっていく朝

抜け出した迷路
めざめた 瞬間に
世界は 嘘に まみれていた

「僕が僕である」という
自信さえも

臆病さに 紛れて
見失ってくの

今日も どこかで
誰かが 誰かを
殺したんだってね


殺す僕も、殺される僕も、
ここで 生きてるのね

コンクリートで猫を潰したら

最期の悲しい鳴き声は

僕の耳に届きませんでした

僕の脳は 罪で埋まるみたい



僕は 亡骸の前で パンを食べる

血まみれの 景色のなかで
パンを 食べてみる


きみにあげるはずだった
パンを 食べてみる

君を殺したのは

愛してるからだったのか


すごく 愛してるから だったのか

愛嬌を振りまく君は
尻尾を立てて

喉を鳴らして 甘えた顔で
見つめて来るから

きみを可愛いと思う瞬間は
ぼくのこころは
天に近いくらい 浮かぶけど

また 帰ってくるんだ
悲しみのふちに入ることで
思い出されるんだ

どうして こんなに悲しいの?
何が こんなに悲しいの?

知らないよ
誰か教えてごらんよ


きみを見てるのは

羨ましさと 憎悪で
わけがわからなくなるんだよ


コンクリートで猫を潰したら

最期の悲しい鳴き声は

僕の耳に届きませんでした

僕の脳は 罪で埋まるみたい



僕は 亡骸の前で パンを食べる

血まみれの 景色のなかで
パンを 食べてみる


きみにあげるはずだった
パンを 食べてみる

君を殺したのは

愛してるからだったのか


すごく 愛してるから だったのか



君を殺したのは

愛してるからでした
すごく愛してるからでした

まみれる

まみれる

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-12-16

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