ガソリンのにおい

様々な世界の雑音は
目覚めのコップ一杯の水のように
わたしのからだと脳を潤していく

流れていく街を見て
エンジンの音や 人が 歩く 音
信号機 コンビニのレジ

すべてが 何かの規則をもとに
働いている

それを見て 楽しむ自分は
世間的に見れば ただの暇人で

無駄なことを考えてるのだろうね

意味がないと 言われれば
それはそれで 正論なのだろう

でも
見てる私には
ちゃんと意味がある

自分が
ちゃんと 此処に居ることを
認識することは
ものすごく
難題なことだったりする


ひとは
本質的なものには決して気付かず

日々を通り過ぎる 過つのだから


気づいて居ても
その感情すらを 通り過ぎていく
過つのだから


良し悪し
ちからがあるから

たとえ 発生していても
その雑念を
振り切れるものなのかもしれないが

だれとも会わず会話もせず
ルーティンワークのように過ぎる日常が

きっと
わたしには
愛おしい日常なのだ

たとえ だれに 否定をされても


たとえ 明日 父が死んでも


わたしは

この冷静な感情のなかで

生きていくのだろう と

諦めと 気丈が
混ざり合ったみたいなぬるま湯が

いま たしかに
わたしのからだのなかを流れ巡った

ガソリンのにおい

ガソリンのにおい

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-12-16

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted