あなたは いま わたしの 運命の鉄筋コンクリートさんですか
あなたは いま、
わたしの 運命の鉄筋コンクリートさん ですか?
あなたは いま、 あなたは いま。
あなたは いま、
わたしの 運命のヒキガエルちゃん なの?
あなたは いま、 あなたは いま、
あなたは いま・・・・・・
電報息子が 銀河系から帰ってきて
ホット・ラヴについて 語ったよ。
そりゃあ ホットな愛だった、
そりゃもう 被弾した戦車みたいに よく燃える愛だった。
惑星女王は 宇宙舞踏を舞いながら、
「人生なんて たかがガソリンよ」
と、 泣いた。
そうさ 美しく火だるまの彼女は ただ 全焼するしかなかったんだ。
マンボに揺れる お日さまが、
恋わずらいの ウサギ戦士をからかった。
「おお ベイビーちゃん、 なんて てめえは ストレンジなんだ!」
「ああ ベイビーちゃん、 なんて おまえの人生は ディープなんだ!」
地下世界の無職紳士は ウサギ戦士のベイビーちゃんに 求愛のブーメランを投げた。
スライダーで投げたのに チェンジアップだと言われちまった、
そうさ、奴は生まれたときから
ワイルドピッチだったんだ。
電気兵士が 宇宙船モノリスに乗って 火星に行った。
火星には 新装開店の ダイヤモンドの牧場があるんだという。
ああ そこにはスリムなオメコの 牝山羊が 生まれるらしい、
そこでは毎日 ひとが牝山羊に跨がる 愛の季節が 流れるらしい。
しかし火星に着いたが オメコも 愛もなかった。
人面石のハイウェイをジープバスで疾走する 革命幼稚園児たちがいた。
子供ちゃんたちは ジープスクールバスを走らせながら、
どこまでも 逃げていくのみだった。
そうさ 逃げなきゃならなかった、
だって もはや 生きてなかったのだから。
復讐のスペースボールに追われて ここまで逃げのびた おれは、
いま 生まれたてのブギーで あばずれ女のきみについて 歌っている。
ああ そうさ ゆうべ どこにもなくなった 昔の話さ、
そうさ 美しい星になった かつらをかぶった死体のことだ。
激しく爆発して 素粒子へと消えゆく寸前 きみの唇が現れて、
残り火を 灯すように 呟く。
「歌ってよ、
結末を 飲みほす前に、
狂っちゃう前に、 葬る前に。
あの日の言葉、
お願い、 最期に
もう一度だけ」
だからおれは、
もう一度 あばずれ女のきみのために あの歌を歌ってる、
あなたは いま
わたしの 運命のメランコリー だから。
あなたは いま、 あなたは いま、
あなたは いま
わたしの 運命の人 なのだから。
あなた だけが、
あなた ひとりが、
わたしには
いま・・・・・・・・・・・・。
あなたは いま わたしの 運命の鉄筋コンクリートさんですか
T.Rexという1970年代のイギリスのバンドが好きなむかしの女友達のために書いた詩。
彼女が好きなT. Rexの“Main Man”を聴きながら書いた。
詩のあっちこっちにT. Rexの曲名を散りばめて、無秩序な曲名の断片を言葉が流れるように整えた。
ついでに昨夜失恋した女性のことも書き加えた。
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich