カンテラは窓に

しんしんと 積もる
言葉は 静かに
僕の 心を
冷やして やまない
愛を 歌った 浮遊霊
風に絡まり 過ぎてった

午前2時の 韜晦
捨てきれぬ 夜の 悔恨
息を 継いで 言った
「馬鹿げた“さよなら”には飽きた」


しんしんと 積もる
言葉を 静かに
僕の (かいな)
温め 溶かした
愛を 誓った 勿忘草
庭にいま盛り そんな、嘘。

午前9時の 僥倖
吐き棄てる 朝の 恍惚
息を 潜め 君を 君を 君を


午前2時の 韜晦 捨てきれぬ 夜の 悔恨
午前9時の 僥倖 吐き棄てる 朝の 恍惚
午前2時の 韜晦 捨てきれぬ 夜の 悔恨
午前9時の 僥倖 吐き棄てた 朝の 恍惚

(午後11時の喧騒が照らす道を歩く僕は足裏の感覚もなくただ、ただ、歩み続ける。誰が認めるわけでもないこの馬鹿みたいな一幕のなかに、何度夢を見て何度目を瞑り何度溺れかけ何度救われただろう。道化にもなれず悪魔にもなれず神様のように両手を広げ虚空を抱えて、午前0時の鐘を待っては同じ日々を繰り返す。昼の星は何処にもない。昼の星は何処にもない。星のうたを知るには、星のうたを知るのは、つまりはそう、渾沌たる夜。)

そして、息を、継いだ。

カンテラは窓に

2018-03-16 加筆
8018-03-18 改題

カンテラは窓に

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-12-11

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