バスが燃えている

ある昼過ぎ
テレビを点けていると
バス火事のニュース

バスが燃えている

そう通報があったらしい

5回ほど爆発した
とか
怪我人はいなかった
等といった情報

バスが燃えている

まるでキャンプファイヤーや
プロミネンスのように

いやにあっさり燃えるものだ

バスはエンジンが後部にあるので
比較的燃えやすい車なのだそうだ


ところで


誰にも言わずに考えていることが
思いもよらぬところから聞こえてくることが
間々ある

二階建てのバスの歌を懐かしんでいたら
全く関係の無いところからバスの話題が出る等

これが噂の引き寄せか
それとも単にこちらのアンテナのせいか
よく分からないが確かにあるのだ
思いもよらぬところから
黙考していたものがあらわれることが

まるでわたしの意識がクラウド化して
セキュリティがゆるゆるかのように

多分それは、逆の場合もあるのだろう

わたしの無意識に放った一言が
誰かの秘密を突くことが


そんなことを考えながらも

わたしの透明なバスは
燃えながら突き進んでゆく

銀河へ
海底へ
心と
クラウドの中へ


近寄ったものに引火しながら

意識と無意識を

炎でつなぎ

バスが燃えている

バスが燃えている

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-12-11

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