きがうごく

38g

まあちゃんは、いつもふまんがお。
ぷくっとほっぺをふくらして、なんにもかもが 大きらい。

こいしをけりけりすすんでいくと、いしがコツンとぶつかった。
見上げたまあちゃんは、びっくり。
とってもおおきな木。

にゃあにゃあ。
おや。
木のうえではねこちゃんがないている。

まあちゃんは、ねこなんてきらい。
でも、なにかがピカッとひかっているわ。

まあちゃんが木にのぼると、ねこはピッタリあまえてくる。
よくみると、この子はすてきなくびかざりをつけていた。
ひかったのはこれだったのね。

さあ、つまんないの!
まあちゃんはほっぺをふくらして、木からおりようとした。
でも、どうしたことかしら。
木はぐんぐんたかくなり、まあちゃん1人じゃおりられない。
まあちゃんがぷくっとほっぺをふくらすたびに、木は、たかくたかくなっていく。

やがて地めんがすっかり見えなくなるまでたかくなると、木はひょこひょこうごきだす。
まえへ、まえへ。

まあちゃんもねこちゃんもこわくてブルブルとふるえていると、いちわのとりに出会った。
たいそうはでな色のとりなのよ。
まあちゃんはとりなんてきらい。
でも、なにかをお口にくわえているわ。

まあちゃんがおいでとよぶと、とりはちかくまできて、お口のなにかをポトリとおとしてくれた。
よくみると、それはとりのごはんだった。
おかあさんとりは、にっこり。
あかちゃんに、あげるのよ。

やれ、つまんないの!
まあちゃんはまたまたほっぺをふくらした。すると、また木はたかくなる。
まあちゃんはあわててほっぺをすぼめた。

とりさんは、まあちゃんにごはんをかえしてもらうと、サッととんでいった。
今からとりさん、ごはんなのね。

まあちゃんも、おなかがぐうとなった。
おゆうはんまでに、かえれるかしら。

まあちゃんとねこちゃんがおなかをすかせていると、りんごの木さんにであった。

けれど、りんごの木さんはひとつもりんごをもっていなかった。
おなかがすいているの。ごめんね。
もうすっかりぜんぶ、みんなにあげちゃったの。
かわりにキレイなはっぱをひとつあげるわ。

やさしいりんごの木さんは、まあちゃんとねこちゃんにはっぱをいちまいずつくれた。

でも、まあちゃんははっぱなんてきらい。
そら、つまんないの!
まあちゃんはほっぺをふくらしかけて、すぐやめた。
ほっぺをふくらすと、木がたかくなっちゃうからね。
まあちゃんは、しぶしぶりんごの木さんにありがとうといった。
すると木は少しひくくなった。

つまんないの!と言ってると、どんどん木がたかくなって、おりられなくなっちゃうみたい。
まあちゃんは、つまんないの!はいったんやめて、ありがとうと言うことにしたわ。

木はひょこひょことうごいていく。
だんだん、まちのはずれにやってきた。

まあちゃんとねこちゃんは、下をみてたのしくなった。
ひとやくるまがちっちゃくて、とてもおもしろいのよ。

すると、むちゅうでみていたまあちゃんは、てんとう虫さんとごっつんこ。
あいたたた。
まあちゃんがおててにのせると、ありがとうとてんとう虫さん。

てんとう虫さんたら、まいごになってたの。
おともたちのおうちが、みつからないんだって。

てんとう虫さんはシクシクないている。なんだかかわいそうだわ。
たすけてあげられないかしら。

まあちゃんがこまっていると、ねこちゃんがにゃあにゃあよんでいる。
どうしたの、ねこちゃん。

ねこちゃんは、木のしたでなにかを見つけたようよ。

まあちゃんがみてみると、小さなカタツムリさんが水たまりでおぼれていたの。
まあちゃんはたすけたいけれど、なにせ木がたかくておりられない。

どうしようかしら。

まあちゃんがこまっていると、木は少しずつひくくなっていった。
これならもうちょっとで、手がとどきそう。
それからいいことをかんがえた。
りんごのはっぱがおふねになるわ。

よいしょ。
なんとかとどいた、はっぱのおふね。

カタツムリさんは、たすけてくれてありがとうと、にっこり。

すると、てんとう虫さんはびっくり。
さがしていたおともだちはカタツムリさんだったのよ。

カタツムリさんはとってもよろこんで、てんとう虫さんといっしょにまあちゃんにおれいをすることにしたの。

虫たちがおれいにくれたのは、よつばだった。
まあちゃんはうれしくなって、カタツムリさんとてんとう虫さんにありがとうと言った。

虫たちとさよならすると、もう木はずいぶんひくくなっていた。
もう地めんにあしはつくけれど、まあちゃんはもうちょっと、木にのぼっていたかった。
だって色んなものと、であえるんですもの。

まあちゃんは、よつばをあたまにつけてみた。ねこちゃんはうれしそうになく。とってもよくにあうわ。

ねえ、木さん。もうちょっとここにいてもいい?

まあちゃんが木にきいてみると、木ははっぱをゆらして、いいよ、とおへんじ。
だから、まあちゃんとねこちゃんはしばらく木の上にいることにした。

まあちゃんとねこちゃんがあくびをすると、木はまたひょこひょことうごきだした。

もうまあちゃんもねこちゃんも、こわくなんてない。
ふたりは手をつないで、木さんとなかよくさんぽした。

やがて、ねこちゃんはじぶんのおうちについた。
ねこちゃんは木さんとまあちゃんにありがとうと言った。それからさよならすると、うれしそうにとびおり、ママのところにかえっちゃったの。

まあちゃんは、さびしくてちょっぴりないたわ。

木はそのまま、ずっとうごいて、やがてまちのいちばんたかいところで、やっとピタリととまった。
なにかしら。

木さんは言った。
みてごらんよ、まあちゃん。

まあちゃんはびっくり。
おそらはすっかりオレンジいろ。
まちがきらきらひかっていた。はっぱが、みずうみが、きらきら、きらきらひかっていたの。

とってもキレイね。
いっぱい、たくさんのものが、つまっているのね。
まあちゃんはしばらく木さんといっしょに、夕日とうつくしいせかいをながめた。

まあちゃんは、木さんにおれいを言った。
つまんないこと、なかったわ。
たくさんのものがつまっていたわ。
わたしのせかいは、とってもすてきなのね。
ありがとう、木さん。だいすきよ。

まあちゃんが木さんにだきつくと、木さんははっぱをゆらしてよろこんだ。
よかったね、まあちゃん。木さんはわらってそう言った。

そして、おそらがくらくなるまえに、木さんはまあちゃんをおうちまでおくっていった。

まあちゃんのママは、まあちゃんがかえってきて、にっこり。ぎゅっぎゅっとだきしめてくれた。
それから、よつばがすてきねとほめてくれたのよ。

まあちゃんはすっかりうれしくなった。
ママ、ごはんのあとで、きいてね。
だいすきな木さんにおしえてもらった、とってもすてきな今日のこと。

まあちゃんは、にっこりわらった。

それからまあちゃんは、もういちども、ほっぺをふくらしたりなんかしていないのよ。

きがうごく

ずっと考えていた話ですが、完成することを目標にダダダダーンと書いたら粗削りになってしまったので、また修正するかもしれません。
話の根幹は、つまんない、という言葉の駄洒落です。

きがうごく

偏屈もののまあちゃんと、猫と、動く木にのって、ちょっぴりさんぽする話。

  • 小説
  • 掌編
  • 冒険
  • 児童向け
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