狭間
天井にはチカチカと今にも切れそうな裸電球が一つぶら下がっている。
私は天井見上げ考えた。
一体何をしているんだろう。
ガタガタと揺れる電車の中。
この時間は人が乗っていない。
私は流れ行く景色の中考えた。
一体このままどこへ行けばいいのだろう。
沢山の声が響く構内には沢山の人が行き交っている。
私は外のベンチに腰掛け考えた。
なんで私は一人なのだろう。
家に帰り、またベッドに入る。
電気の付いてない裸電球が静かに隙間風で揺れる。
ドカドカと鳴り止まない心臓の音だけが耳に届いた。
胸に手を当てて考えた。
私は何がしたいのだろう。
玄関で汚れたスニーカーを履いた。
そうして行くあてもないまま辺りぶらぶら彷徨う。
いつのまにか自宅の近くにある河原に辿り着いた。
無意識にこの場所へ来たのだ。
私は水面に近づいて自分の顔を眺めた。
目の下には黒いくまが異様に出来ていた。
顔が映る水面に石を投げ入れる。
石が水面に落ちると私の顔は波打つように歪んだ。
そして私は考えた。
楽になる方法は何か。
私は水の中に足を踏み入れるとそのまま倒れ込んだ。
目を覚ますといつものベッドの上だ。
これが何度目なのか分からない。
ただ服も濡れていないし、生きている。
どちらが本当でどちらが嘘なのかも分からない。
私は小さく口を開いた。
「もうそろそろ楽にしてよ」
私は布団を頭まで被った。
狭間