セックスのレッスン

日向結う。さんへ

賢く意志の強い人間は、どんな環境に生まれ落ちたとしても必ず最後には成功するのが世の習いである。

僕の知っているあるタイ女もそのうちの一人だ。
彼女は色気と性技でタイに立派な家を買い、また女らしさと優しさを演出することで生真面目一本の旦那を手に入れた。つまりは日本での永住権を手に入れた。
そして彼女はそれでもなお飽き足らず、旦那を長野に残して東京に出、それまで営々と養い続けてきた固定客から金と快楽とをむさぼり続けている。

彼女は、僕にとってセックスのトレーナーだ。
彼女を満足させられるように、僕は彼女をよく観察し、実践し、彼女の興奮を見て自らも興奮する。
そうやって身に着けた性技を、僕は将来幾分かの金を稼げるようになった後、若い女たちに惜しみなく与えて、彼女らにも楽しませ、また自分も楽しみたいと思う。

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彼女は男に自分を舐めさせるのが好きという意味ではサディスティックな女だが、こちらがマゾスティックでありつづけることを望んでもいない。
だから、僕は彼女にクンニをすぐに与えない。耳たぶを甘噛みし、うなじ、乳首、わき腹、太股、内腿…両手は背中に爪を立てる。彼女は僕の頭を両手でPussyに押し付けようとする。
"Not Yet!"
40がらみの女が、30にならない男の言うことをとろんとした目で従うのを見るのは快感だ。
僕の舌は恥丘を這う。彼女の息が上がる。
舌を外陰唇の外側をつうっと一回りするように転がす。
たまらなくなった彼女は、自分で陰唇を開き、中に舌を這わすように懇願する。
かつて自分をサディスティックに扱ってきた女が、今や自分から大股を開けて、クンニを乞うようになった姿に、僕は興奮した。

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僕がまだ若かった頃、彼女はうつ伏せの僕の顔に、ショーツを押し付けながら、何食わぬ顔で僕の背中をマッサージした。何食わぬ顔で。
僕は息が荒くなる。
”What?"
彼女は意地悪く問いかける?
"You are that excited, hum?"
無言の僕に彼女は畳み掛ける。
"You wanna eat my pussy right?"
全てが彼女の主導で動いていく。

彼女はショーツを脱ぎ捨て、僕の顔に彼女のpussyを押し付ける。
僕はバター犬のように彼女のpussyを舐める。
彼女は手にオイルをつけ、僕のペニスを扱く。
彼女の手にかかっては、そうは持たない。なぜって、それまでに十分興奮させられているのだから。
僕は射精する。
"So quick"
My Mistressがショーツをたくし上げながら僕に言葉をなげる。
"If you could hold it a bit longer next time, I would lick your dick a while."
”Yes..."
と答えるのが精いっぱいだった。

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女が自分で自分の陰唇を開く姿。思い出せば思い出すほど狂わしいほどエロい。
下から上にさっと舐め上げる。彼女は声を漏らす。
今度は自分で彼女の陰唇をかっと開き、クリトリスをしばらく撫ぜる。彼女の手足がうねる。
そしてクリトリスを甘噛みする。彼女の息は一層荒くなる。彼女はワインのグラスを取ってぐいと飲み干そうとしたが、飲み干しきれずに残りが床にこぼれた。
舌を少し硬くして、膣の中に舌を挿入する。
彼女が、右の膣壁と左の膣壁が交互に舌と触れるように膣を動かすので、自分から舌を右の膣壁、左の膣壁に交互に押し付け、時々ランダムに奥まで舌を差し込む。彼女の息がどんどん上がってきたところで、舌をさっと抜く。彼女は恨めしそうな顔で僕を見つめる。もう一度全ては耳たぶから始まるのだ。
"Hey, you lick me…"
"No."
"Can't Stand."
"Then help yourself."
この女の本気のオナニーを見られたら、どんなエロいだろうと思ったが、根がサディスティックな彼女はもはや我慢できなかったらしく、僕を無理に股座に押し付けようとした。

"Hey, I am not a 50's in country side with very little experience. I am a Matured Tokyo Boy. You cannot control me. You keep in mind."
彼女は一度結婚したら、旦那との交わりを週に一度しか許さず、我慢できないときは旦那はトイレでオナニーしているのだという。
最近はその週一回のセッションでさえも、彼女は胸を触らせるだけで、処理自体は自分の手でさせているといっていた。
そんな高慢な女を性的にコントロールしている事実に、僕は酔いしれた。

僕は彼女の両手両足を思い切り押さえつけて、そおっと顔をpussyに近づけた。最初は息をふうっとかけるように。そして陰部と肛門の間の、あの敏感な部分を舌でなでる。彼女の足がばたつく。そしてクリトリスを吸う。甘噛みする。吸う。甘噛みする。彼女は息を上下させている。膣壁を舌で犯す。右に、左に、奥に、そして円を描くように、そして顔を思い切り彼女の陰部に押し付けて、狂ったように舐め上げる。

両手両足を押えたまま、わき腹や腋の下、肩、首筋等を甘噛みしていく。その度に彼女は声を上げる。
後で調べたら、女は興奮をすると、全身が性感帯になるらしい。

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2時間前、彼女はこういった。
"I will not have sex with client."
”OK"
どこまでを商売にするかは、それは女の側の自由だ。男はそれを尊重しなくてはいけない。それは女遊びのルールだ。
しかし、前に彼女がいた店のママが、1万円でセックスさせたことを話すと、彼女は異様な興味を示した。
彼女はママとひどいケンカ別れをして今の店にたどり着いたのだ。
"Why did you do that business."
"At the time I was young, as long as she is a female, then it was enough for me.Now I will never do this with her."
"Why?"
"Too old."
二人は笑った。
"Then, How was it?"
"umm.. It was nothing. I was too quick."
またもや笑った。
"Then Mama complained saying I did not enjoy at all. You train yourself more before you come here next time."
大爆笑だった。
"Then did you wear condom?"
妙なことを聞くなと思いながら
"Yes."
と答えると
”Did Mama want it, or did you want it?”
と聞いてきたので、こう答えた。
"I did want it, so I went to buy condom in Don Quijote."
"So you wore condom, right?"
"Yes."
"OK."

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一段落し、ビールが欲しくなった。
彼女はヤーという子分を呼びつけて、ビールを2本持ってこさせる。
ヤーは身を屈めるように部屋に入り、彼女にビールを渡す。
僕は彼女からビールを受け取る。
ヤーは彼女に言いつけれて、ワインでこぼれたカーペットと諸々のゴミ掃除をさせられていた。

彼女はすっかり満足し、僕のことを雑なHand Jobでいかせようとした。
"It is unfair. I sucked you. You make me feel better in a different way."
彼女はビールを飲みながら、しばらくけだるげに僕のペニスを扱いていたが、突然に僕に馬乗りになり、僕は彼女に挿入した。
コンドームなしで。

彼女の膣はゆるみがなく、奥が長い、そんな膣だった。それは彼女が子供を産んでいないこともあろうが、また一方においては男から搾り取れるだけ搾り取るために、最後の一線として頑なにセックスを拒み続けてきたからかもしれない。

そして彼女があれだけクンニを偏愛するのは、もしかすると彼女が未だ膣での快感を感じられないからなのかもしれない。
色気と性技で家と旦那と永住権を獲得した女が、女の喜びを齢40にして未だ十全に知らないというのは、なかなか逆説的な話だと思う。

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いつの間にか、ヤーは部屋から出ていた。
この交わりは、要は彼女が僕に一線を許したという意味で象徴的なものだったから、1,2分のピストンの後、僕は膣からペニスを抜き、彼女は軽くフェラチオした後、Hand Jobで僕をいかせた。

"Then, How much will you pay?"
私の最後の一線にいくら払うの?という話だ。金勘定の話ではない。彼女の女としてのプライドの問題だ。
"30,000 Yen"
彼女は目を潤ませて僕の腕にまとわりついた。

セックスのレッスン

3万円が最後の一線の対価として高いのか安いのか、よく分かりませんがね。その辺はその場の雰囲気の問題なんでしょう。

セックスのレッスン

彼女は、僕にとってセックスのトレーナーだ。 彼女を満足させられるように、僕は彼女をよく観察し、実践し、彼女の興奮を見て自らも興奮する。 そうやって身に着けた性技を、僕は将来幾分かの金を稼げるようになった後、若い女たちに惜しみなく与えて、彼女らにも楽しませ、また自分も楽しみたいと思う。

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 時代・歴史
  • 成人向け
更新日
登録日
2016-12-06

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