どうか 恋なんかに 落ちませんように
Well I hope that I don't fall in love with you.
(どうか 恋なんかに 落ちませんように)
'Cause falling in love just makes me blue.
(恋は 人を 寂しくさせるから)
生き続けるためには、
必要だ、
それはありふれた仕事。ありふれた日々の暮らし。
ありふれた者としての自覚。
ありふれたものにあふれながら、
身軽に背負っていけるような、
そんな自分一人が。
今日は どうやら 生きた証を残したみたいだ。
ありふれた 1月の寒さの夕刻に、
人々が 世界の惰性のように 込み合った 路上。
あどけなく 笑って ささやいててくれた、
あの声を、
思い出している。
「なんにも 心配したり、夕方にブルーちゃんにならなくて、いいんだよ」
「人生で、怖いバケモノなんて、なにもないよ」
「 だって」
「わたしが ついているから」
「そうでしょ?」
夕暮れ時の ありふれたバイパスは 今日も渋滞している。
一日の終わり 日課のように
つまらぬ 繰り返し。
ありふれた この場所から
どこかの 黄昏どきに向かって
祈ってみる。
こんなになりながら
今も忘れられやしない
たった一人 手に負えない「バケモノ」 だったひとの 非凡な人生に向かって。
どうしたって
あの言葉と、
あの日々のために、 祈ってやるんだ。
「あのひとが 幸せでありますように・・・・・・」
And I hope that I don't fall in love with someone in vain again.
(どうかぼくが また誰かと むなしい恋なんか しませんように)
'Cause falling in love always just makes me blue again and again
(いつだって恋は ぼくを 何度も 寂しくさせてしまうから・・・・・・)
どうか 恋なんかに 落ちませんように
トム・ウェイツの“I Hope I Don't Fall In Love With You”が好きで、この詩を書いた。
たぶん、失恋して警備員のバイトに励んでいた頃に書いたと思うが、そうでないかもしれない。
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich