M o d e r n ↓ L o v e

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彼は・・・・・・
il,


彼女の気持ちを尋ねた。
Il lui a demandé pourquoi.


返事はどっちつかず。
Sa réponse était incertaine.




男と女のよくあるやりとりだった。
C'était "Un garçon rencontre une fille".




   







   



       



                                  あげられるものは 


                                     疾走 だけ


                

                                      それに


                                スピードの       恍惚。



   







   



       


                      「アンナ、信じるかい? 疾走する愛を。永遠に疾走し続ける愛を・・・・」


                      「おやすみなさい。“おしゃべりさん”



                                                  ・・・・・いいえ・・・・・アレックス」




   







   



       


                                           も う


                                            僕
                                            は


                                           僕 の


                                     嘘つきじゃ    ないんだ



                                        ハーレーなんか 


                                        乗れやしないけど


                                           ピストルも


                                         撃てやしないけど。    




   







   



       


「泣き出すと止まらなくなるの・・・・・・



                    まるで涙の止まらない血友病みたい」


「アンナ、俺の顔を見て・・・・・・・・・・・・・・・・・



          泣・く・の・は・お・や・め


          ア・ン・ナ


         涙・を・こ・ら・え・て


          泣・く・の・は・お・や・め・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・腹話術ができるの?」




   







   



       
                        これは      世界と        すれ違う        瀬戸際だ



   







   



       
「わたしを見てるのね?」



                         「鏡に写った女は美しい」


「・・・・うまい手ね」



              「・・・・・・その映像で夜は夢を織るんだ」



   







   



       

                          これは    投げやりじゃなく     詩を生きる     決意だ



   







   



       

                                   「街路のただなかに  わたしの愛がある」



   







   



       

   Modern Love が  僕たちを連行する。


   Modern Love が  言葉の裏切り者を 僕たちに信じさせようとする。




   







   



       


                                       「もし君とすれ違ってしまったら



                                    世界全体とすれ違ったことになってしまう。



                                          こんな人生ってあるか!」




   







   



       



決して  死なない無謀を   無理やりに  飲み込んで


              至高聖所から   地上の破局的瞬間を望んで   飛び降りる。




   







   



       
     「自然の中に出る


     すべての舗石を愛撫する


     階段の一段一段に感謝するさ



     ・・・・・・・・・・・もし 生きのびられたなら」



   







   



       

君に



      衝突する。



         君は まだ  君を知らないまま



               無を仰いだままだ。



                       君の



                            ため息で



                                   君に



                                         気だるく


                                               吹きあげられる、君の髪。
 




   







   



       


                                                「淋しくなるよ」


                              「そんなこと人に言ってもらうの久しぶりよ」


                                              「近寄っていい?」


                                                   「もちろん」


                                     「君の唇の味を覚えておきたい」


                                           「Oui (ええ)・・・・・・・・」




   







   



       



                                  君をめがけて    衝突する。



                                決して 信じるな   Modern Love を。



   







   



       


                       「いつの日か        別の日にか」





「もう充分生きたと言える日が、  


  
                          いつか・・・・・・・」  





   







   



       

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フランスの映画監督のレオス・カラックスの作品『汚れた血』にインスパイアされて作った詩。
同映画からの台詞等を多数引用してる。僕の詩とカラックスの映画のカットバックのような作品。
詩のタイトルはデビッド・ボウイの曲名から。この曲が『汚れた血』の主題歌でもある。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

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  • 自由詩
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-12-03

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

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