リンゴ模様

丸める水の 水草に
休んだ空気が 丸まって
写るみたいに 花模様 
深呼吸を 一つと二つ


分刻みの 長針告げた
午後八時は はにかみ残す
模様の花びら 吹かれたように
着てない浴衣の 袖直す


伝わる数で 押されて歩く
道来たなら もう帰り道
帰り忘れた 雨たちが
真っ直ぐ返す 背中の花火


リンゴ飴は 未だ成らずに
ほろっと思い出 零れる思いで
カランコロンと 鳴らないままに
金魚蜂を 透る遅さで


響く度に 上がった花火
来た道なら もう行く道
振動だけは 伝わって
着てない浴衣の 模様が回る


響く度に 上がってく
道来たなら もう帰り道
遠くなった 音咲いて
カランコロンと リンゴ飴


伝わる数に 押されて歩く
道来たなら もう帰り道
最後らしく 上がった花火
着てない浴衣の 模様が回る


帰り忘れた 雨たちが
真っ直ぐ返す 姿は花で


最後らしく 上がった花火
着てない浴衣の 模様が回る

リンゴ模様

リンゴ模様

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-07-12

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