恋愛テロル原理主義コマンドたちのシュプレヒコール
三度改題しました。
アジトを出たら あなたは何をするの
あたしの ウィークエンドなボーイフレンド
不幸なあなたは 深い ディープな 愛の英雄コマンド
始まりも終わりもない あたしたちはこの世界に現存在しない
週末のあたしたちの終末 コカインみたいに トチ狂った世界。
「素敵ね、とってもルーズよ、あなたの引き裂かれた笑顔、オニオンスープ一杯くらいの幸福感じる」
「そんな、へしおれたサブマシンガンなんて、どっかにやって! あたしの顔、唇で激しくぶってみて!!」
「愛ってなんだろうね?」 と
あたしは電話の向こうのイーディ・セジウィックに尋ねた。
「愛は平積みに並べられたフランスのエロ本みたいなものよ」
イーディは真夜中の電話でけらけらと笑った。
「ああ、何もないことが殺人的な午後の平和に、あたしのマインド、こぎれいなスペースで餓死するんだ」
「女の子は、ときどき、こうして、涙が出るほど笑うのよ、恋人のこと、夢見て、傷だらけのガス欠人生、スパークさせながら」
「愛の詩が書きたいんです」 と
あたしはピカソにメールを送った。
「愛には踏んだり蹴ったりだったんだぞ!」
ピカソはメールを「青の時代」の絵の添付ファイル付きで返信してきた。
「あなたの唇、なんて大きいの、あなたが微笑んだら、そんであなたが笑ったら、あたしも笑っちゃう」
「でも、だったら、あんたのなかにある、この冷ややかさ、なんなの?心が最初にダメになるのはイヤ、愚か者の星から来たとでもいうの?」
“I would like to live for love”
あたしはオノ・ヨーコに電報を打った。
“Love is money”
オノ・ヨーコは 一言に添えてジョン・レノン ミュージアムのDMを着払いで送ってきた。
「すいーとほーむは焼け落ちた、あたしはぶたれたって傷つかない、子供たくさん死ぬほど作るわよ、ままごとみたいに、混血だってなんだって」
「行かなくちゃ、あたしはこの街を逃亡するの、誰かがどこかに置いてった爆弾の入ったパンかごが、仕掛けられてるんだと本気で思い込んで」
「ヘルシーに死んでやるの、めまいがして発情するほど、健全に死んでやるのよ、ピーマン坊やの下手くそ愛撫にもう飽きた」
愛のシュプレヒコールが止み終えた。
今夜もあたしは生きることに忙しい。
爆発し続けるガソリンのように 人生が続く。
闇はどんどん追いかけてくる。
あたしは 黒いライダースーツ着た、
ジャンクで いかがわしい、
恋愛原理主義の こけおどしパルチザン。
ボーイフレンドの運転するプジョーが サイテーな終わりを突破する。
メロディがやけくそのようにダラダラ伸びきった だるいラブソングなエレ・ポップ
いたるところで轢殺してゆく。
「クソッタレ人生、終わらせたいの?結末を急いでるの?だったら殺してあげる、あたしの手で、やさしく、無惨に、ころしてあげる!」
「抱きしめて!あたしのオス鹿!むく毛の愛の小人、もっと、しっかり、抱きしめて!もっとあたしのエクスタシー、抱きしめて!!!」
あたし 一晩中 走っていよう。
恋愛テロル原理主義コマンドたちのシュプレヒコール
以前書いたものを大幅に加筆・改題して投稿。
Tom Tom Clubの“Genius of love”をイメージしながら書いた。
タイトルを「愛情テロル」にするか、「恋愛テロル」にするか、「情愛テロル」にするか、かなり悩んだ。
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich