ハイブリッド

わたしの中にはたしかにあるのだ。
あなたへの想いや怒りがあるのだ。
わたしの目が見たすがたを
わたしの耳が聞いた声を
あなたが発した全ての刺激を
粉にしてのみこんだ私のからだには
あなたがたしかに流れている

それなのにそれなのに
わたしの感じた想いや怒りはあなたには届かない
わたしの理想は私の夢
わたしの希望は私のまぼろし

想いは綿菓子のように甘く、溶けてゆく。
日の当たる世界で、影のないものとして死んでいく。

粉にしてのみこんだあなたは
わたしの文明でつくりあげたあなた

ハイブリッド

ハイブリッド

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2016-11-21

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